2013 Fiscal Year Research-status Report
男子尿道炎における病原体抗菌薬耐性サーベイランスの構築
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25462509
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
出口 隆 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40163935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 満 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (90311703)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Mycoplasma genitalium / 23S rRNA / gyrA / parC / 尿道炎 |
Research Abstract |
2011年から2013年に受診したMycoplasma genitalium陽性尿道炎患者の初尿から得たDNAよりマクロライド系およびニューキノロン系抗菌薬耐性と関連する23S rRNA遺伝子、gyrA遺伝子とparC遺伝子の変異を検索した。PCR法にて各遺伝子を特異的に増幅して、その塩基配列を決定した。 2011年と2012年には、マクロライド系抗菌薬の耐性化に関わる23S rRNA遺伝子の変異は認められなかった。しかし、2013年には17検体中5検体(29.4%)に変異を認めた。 2011年から2013年の検体においてニューキノロン系抗菌薬耐性に関わるgyrA遺伝子の変異は認められなかった。しかし、parC遺伝子変異は、2011年から2013年にかけてその頻度は増加し、2013年には、17検体中8検体(47.1%)に変異を認めた。 2013年の検体では、2検体において23S rRNAおよびparCの両遺伝子に変異を認めた。 日本において、尿路性器感染症の原因菌の1つと考えられているM. genitaliumのマクロライド系およびニューキノロン系抗菌剤への耐性化が進行していることが示唆された。現在、M. genitalium感染症には、azithromycinやsitafloxacinが奨励されているが、耐性菌の増加により、それらの有効性が損なわれる可能性が危惧される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
尿道炎の起炎菌は、主に、淋菌、クラミジアと性器マイコプラズマである。現在までに、起炎菌の中で重要な1つであるMycoplasma genitaliumに関してマクロライド系およびニューキノロン系抗菌薬耐性の頻度を検出することができた。 また、淋菌に関しては、臨床検体の収集が順調に進んでおり、淋菌臨床分離株に対する各種抗菌薬の発育阻止濃度(MIC)の測定も平成25年度に終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
淋菌の治療には、日本ではazithromycinが使用されていることから、淋菌臨床分離株のazithromycin耐性に注目して、その出現頻度および耐性機序を分子生物学的に検討する予定である。また、セフェム系抗菌薬耐性に関しても、ペニシリン結合タンパクの変化をモニターする予定である。 性器マイコプラズマに関しては、引き続き、M. genitaliumのマクロライド系およびニューキノロン系抗菌薬耐性化をモニターする予定である。さらに、Ureapalsma urealyticumに関しても、同様の薬剤耐性化について、その頻度を明らかにする予定である。
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Research Products
(5 results)