2015 Fiscal Year Annual Research Report
ギャップ結合からみた過活動膀胱の原因解明とテルミサルタンの新規治療薬への応用
Project/Area Number |
25462515
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
森 健一 大分大学, 医学部, 助教 (00579013)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住野 泰弘 大分大学, 医学部, 講師 (30325716)
三股 浩光 大分大学, 医学部, 教授 (60219714)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ギャップ結合 / レニンーアンジオテンシン系 / 加齢 / AT1受容体 / 排尿機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
最初に、高齢ラットの過活動膀胱に対するテルミサルタンの治療効果の検討を行った。15ヶ月齢の雌S-Dラットを用いて、テルミサルタン投与群と非投与群に分け、投与群にはテルミサルタン(1mg/kg)を3週間連続で経口投与した。投与3週間後にウレタン麻酔下(1g/kg皮下注射)にシストメトリー検査を行い尿流動態学的な過活動膀胱の改善の有無を検討した。しかしながら、テルミサルタン投与による過活動膀胱の改善は不十分であった。さらに、尿流動体学的検査後に、膀胱と尿道を摘出し、ウエスタンブロット法とRT-PCR法を用いて、テルミサルタン投与群と非投与群とのAT1受容体、MAPキナーゼ、コネキシン43の発現、さらにNGFの発現を比較したが、各因子における発現の差は明らかではなかった。そこで、高齢下部尿路狭窄モデルを作成しテルミサルタンの治療効果の検討を行うこととした。。高齢ラット(15ヶ月齢雌S-Dラット)を用いて下部尿路狭窄モデルを作成し、テルミサルタン投与群と非投与群に分け検討を行った。テルミサルタン(1mg/kg)を3週間連続で経口投与した後、シストメトリー検査にて尿流動態学的に非投与群と比較したところ、投与群において過活動膀胱の改善傾向を確認した。また、摘出した膀胱組織において、テルミサルタン投与群では非投与群と比較してAT1受容体数の低下、MAPキナーゼの亢進の抑制、コネキシン43の脱リン酸化の抑制、NGFの低下傾向がみられた。以上の結果より加齢に伴う排尿機能障害に関しても慢性的なRASの活動性亢進が関与しており、AT1受容体拮抗作用やAT2受容体刺激作用を有する薬剤(第2世代ARB)は治療薬として有効な可能性がある。第2世代ARBの使用に関しては、他臓器と同様に加齢排尿機能障害の予防や進行の抑制作用を目的とした使用が期待できるものと思われた。
|
Research Products
(4 results)