2013 Fiscal Year Research-status Report
骨髄幹細胞移植による海綿体神経の保護・再生と勃起機能の温存
Project/Area Number |
25462516
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
高柳 明夫 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80404680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 祐典 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20538136)
小林 皇 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30404669)
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90285007)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 勃起障害 / 骨髄間葉系幹細胞 |
Research Abstract |
ラットの機械的な神経損傷モデルを用いて、神経損傷前に骨髄幹細胞(以下MSC)を投与することにより、勃起機能が温存されるかどうかについて検討した。現在までに損傷後早期、3日目、1週目の実験を行った。MSC投与群では非投与群に比べて損傷後早期のICP/AP比が有意に高い結果であった。また、損傷後3日目、1週目ではMSC投与群で高い傾向を認めているものの、有意差は認めなかった。一方で、継時的なICP/AP比を観察すると、MSC投与群では非投与群に比べて早期にICP/AP比が改善していることが推測された。これらのことから、MSC投与により神経損傷後早期の勃起機能が温存され、勃起障害からの改善が早くなることが示唆された。また、組織学的な検討においても、MSC投与群では非投与群に比べて骨盤神経節内のFluorogold陽性細胞数やNOS陽性細胞数が多く、MSC投与が損傷された神経の機能低下を抑制することが示唆された。しかし、これらの結果は神経損傷後比較的早期の変化のみを見た結果であり、今後さらに長期経過後の変化について検討を行う予定である。 MSCが神経損傷後の勃起機能の温存に寄与する機序に関しても研究を進めているが、現時点ではまとまった成果は出ていない。現在までにGFP遺伝子組み換えラットから採取・培養したMSCを神経損傷モデルに投与し、その発現状況の検討を行ったが、今のところ明らかな発現は確認できていない。MSC投与が本モデルに与える効果の機序に関しては今後の検討課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた実験の一部は現在までに終えており、今後残りの部分に着手する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
GFP損傷後の長期間経過後の変化を見る予定である。 MSCの作用機序を検討するためにGFP遺伝子組み換えラットとは異なる方法を用いて検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末までに使用した実験動物と消耗品の使用量が、実験計画時の予定よりも若干少なかったため。 神経損傷後の長期間変化やMSCの作用機序を検討する実験で必要となる、実験動物と消耗品を購入する。
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