2013 Fiscal Year Research-status Report
精巣内遺伝子導入技術を用いた男性不妊症治療の新戦略
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25462542
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
神谷 浩行 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00311910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 裕樹 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10347403)
郡 健二郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30122047)
佐々木 昌一 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50225869)
小島 祥敬 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60305539)
水野 健太郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70448710)
梅本 幸裕 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80381812)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 精細胞 / Sertoli細胞 / Leydig細胞 / TM3 / TM4 / 遺伝子導入 / フローサイトメトリー |
Research Abstract |
男性不妊症の治療対象は主に精細胞であったが,今回は治療のターゲットをSertoli細胞およびLeydig細胞に目を向けて取り組んでいる。そこで本研究では、私たちが樹立した男性不妊症モデルラットを用い、網羅的解析により障害をうけたSertoli細胞およびLeydig細胞における精子形成に関連する遺伝子を同定する。まずはこのSertoli細胞およびLeydig細胞の単離を行う事が最重要と考え取り組んだ。 精巣組織のホモジナイドする段階で、メッシュ法やパーコール法など行った。これでは不純物が多いため、さらに標識マーカーを使用してのフローサイトメトリーを試みたが、十分な成果が得られない。そこでレスキューとして考えていたTM3、TM4(市販のSertoli細胞、Leydig細胞)細胞を用いての研究を施行中である。 このTM3,TM4細胞のホルモン環境を、分泌物の確認を行っている。それぞれの培養下ではテストステロンなどのホルモン環境が経時的に変化していることがわかってきた。またこれらの細胞を精巣組織と共培養することも行い、変化がわかりつつあることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初から細胞分離が最大の難関であると考えられていた。このためのレスキューとしてのTM3,TM4細胞が準備されている。このTM3、TM4細胞の働きがわかってくると、当初予定していたダメージを受けた細胞の働き、遺伝子変化、回復具合などの観察が出来るようになると考えられる。 当施設には液製物質を測定する機器が共同で使用できることもある。このため細胞の普通時の働きを確認したら、一気に予定通りの測定に進めるものと考えられる。またこの市販の細胞をフローサイトメトリーで分離することでも新たな発見に進めると考えられる。 現在精巣組織自身とこのTM3,TM4の共培養を行ってホルモン環境の変化がわかってきている。このためこれらの作用がわかることで元々の造精機能障害の原因判明の助けになると考えられるため、本研究はおおむね進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はレスキューとして準備したTM3,TM4細胞の働きを明確にする必要がある。また精巣組織との共培養での変化は重要である。この変化測定には共同使用できる機器を用いることを予定している。これによりホルモン環境の変化が判明する。その動きが判明したところで予定通りの細胞障害モデルを使用していく。 ここに下垂体性のホルモンを添加することでさらに細胞の変化、ホルモン値の測定、遺伝子の働きを確認していく。これにより造精機能に関与する根本の遺伝子やその働きをみることで、不妊症治療への応用につながると考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3年計画の1年が経過したところで、このまま予定通り進めるために研究を進めている最中であるため。現在市販のTM3細胞、TM4細胞の機能解析を行っている。この細胞の培養液のホルモン測定、環境を変えてのホルモン測定を予定している。またこの細胞の環境条件が確定したところで、精巣組織の培養を行って、遺伝子変化が生じるかどうかマイクロアレイなどの測定が必要になる。当初の精巣組織からの細胞分離が不可能になったことにより、結果的に経費が抑えられた。 市販のTM3細胞、TM4細胞を使用してホルモン環境を測定。その後ダメージ精巣組織を作成し、その遺伝子変化を測定する。
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