2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25462551
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
久保田 俊郎 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50126223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 乃里子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30611058)
森田 育男 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60100129)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 切迫早産 / 間葉系幹細胞 / 抗炎症 |
Research Abstract |
間葉系幹細胞の切迫早産に対する治療効果を検討するin vitroの系を確立する目的で、ラット子宮平滑筋の初代培養し、炎症による刺激で炎症性サイトカイン、収縮関連蛋白がどのように変化するか検討した。Lipopolysaccharide(LPS)の刺激によりCOX-2が誘導されることを確認した。そのほかの収縮関連蛋白の誘導と培養上清中の炎症性サイトカイン放出について、さらに検討中である。また、これに対する胎盤由来間葉系幹細胞(Placenta derived mesenchymal stem cell : PLMSC)の培養上清(conditioned medium: CM)が収縮関連蛋白の誘導、炎症性サイトカインの放出にどのように影響するかについて検討中である。 PLMSCの免疫担当細胞に対する抗炎症効果を、マウス脾臓細胞の増殖抑制能を用いた系で評価した。間葉系幹細胞とのマウス脾臓細胞の共培養実験により、PLMSCがLPS刺激による脾臓細胞の増殖を抑制することを確認した。また、PLMSC-CMも脾臓細胞に対して増殖抑制能をもつ傾向が認められた。PLMSCにLPS刺激を与えたあとCMを採取し脾臓細胞増殖抑制試験を行ったが、抗炎症効果が強化されることはなかった。 当初予定していたヒト胎盤やヒト羊膜のエクスプラント法によるPLMSCの効果検討については、今後、さらに複雑系での検討が必要となった場合に試みることとした。 早産モデルを作製し、最適化した。当初ラットの予定であったが、マウスで可能と分かり、ICRマウスを用いた早産モデルを確立した。子宮頸部に1μgのLPSを筋注し、局所炎症を惹起し早産を起こすことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子宮平滑筋細胞の初代培養法は研究室内で実績があった。ラットでは比較的スムーズに初代培養が可能であったが、マウスにおいては培養条件の検討が必要であり、本実験に入るまで時間を要している。脾臓細胞による間葉系幹細胞および間葉系幹細胞培養上清の抗炎症効果の検討は、文献を参考に方法を確立したが、さらに検討が必要である。一方、胎盤由来間葉系幹細胞の培養法、培養上清の回収法は確立されており、スムーズに実験に使用可能であった。マウス早産モデルは計画より早く作製できた。全体としてはおおむね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
平滑筋細胞に対する間葉系幹細胞および培養上清の効果についての検討を進める。収縮関連蛋白の発現、炎症性サイトカインの放出について、定量的rt-PCR法、ELISA法をそれぞれ用いる。マウス子宮平滑筋細胞は市販の細胞株を購入して使用する。 早産モデルに間葉系幹細胞およびその培養上清を適用し、早産予防効果を検討する。効果があれば母体血清、羊水、胎盤、子宮などの採取をおこない、炎症性サイトカインや収縮関連蛋白の発現についても検討していく。脾臓細胞に対する増殖抑制能の確認は使用する間葉系幹細胞の抗炎症効果確認目的で常時行っていく。また、間葉系幹細胞の抗炎症効果を高めるプライミング法などの検討も行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
共用装置にて実験が可能であったことより購入予定であったRT-PCR装置を購入しなかったため、次年度使用額が生じた。 マウス子宮平滑筋細胞の購入(約10万円×3個)、間葉系幹細胞のプライミングに要する試薬(約20万円)の購入に充てる。また、当初計画より実験動物にかかる費用の増加が見込まれるため、その購入費(約7.5千円×40匹)に充てる。26年度の、実験用動物、麻酔薬、組織標本作成用試薬、RT-PCR用試薬、蛋白定量キット、培養器具などの購入は当初の予定通りおこなう。
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Research Products
(5 results)