2013 Fiscal Year Research-status Report
子宮内環境の世代を超えたメタボリック症候群発症への関与と新たな治療標的の検討
Project/Area Number |
25462558
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
増山 寿 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30314678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 祐司 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80218817)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 子宮内環境 / メタボリック症候群 / 肥満 / 核内受容体 / アディポサイトカイン |
Research Abstract |
母体の肥満は妊娠糖尿病(GDM)や妊娠高血圧症候群(PIH)といった妊娠合併症や胎児過剰発育をもたらすだけでなく,児が成長した後の肥満,メタボリック症候群(MS)や糖尿病の発症リスクを増加させることが知られている。本研究では,母体肥満・耐糖能異常下の子宮内環境により肥満や耐糖能関連遺伝素因が世代を超えて伝わるメカニズムを特に代謝エピゲノムの点から解明し,更に抗肥満・抗糖尿病受容体Constitutive Androstane Receptor (CAR)を標的とした治療法の可能性を示し,新たな治療戦略の開発へと進めていくことを目的としている。 平成25年度は、In vivoおよびin vitroで母体肥満,耐糖能異常下の子宮内環境が世代を超えて出生仔成長後のMS発症に関与するメカニズムを糖・脂質関連代謝エピゲノムへの影響という面から検討した。高脂肪食飼育妊娠マウスでは肥満,血圧上昇,耐糖能異常,脂質・AC異常及び胎仔過体重を呈すること,出生仔は出生後早期より血中脂質・AC濃度異常,脂肪組織でのAC遺伝子発現異常を認め,成長に伴い過体重,血圧上昇と耐糖能異常が発現し,AC遺伝子promoter領域のヒストンアセチル化とメチル化(H3K9, H4K20)に変化を認めた。更に妊娠マウスでは糖新生・脂質合成律速酵素発現の増加とIRの亢進を認めるが,CARのリガンドTCPOBOP投与により非妊娠時レベル近くまでIRを抑制し,またin vitro実験ではリガンドの存在下でCAR結合配列に糖新生促進転写因子の集積を認め,このことが糖新生抑制を惹起する可能性を示した。またCARリガンド投与により,高脂肪食飼育妊娠マウスのIRやAC分泌異常,更に母獣血圧,蛋白尿の症状を改善し,胎仔の過剰体重増加を抑制した。授乳期の高脂肪食摂取は、出生仔の成長後のメタボリック症候群発症を更に促進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね申請時の研究計画書に記載されたスケジュール通りに進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究計画に沿って粛々と研究を進める予定である。
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Research Products
(20 results)