2013 Fiscal Year Research-status Report
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25462560
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山縣 芳明 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (30363120)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
先のゲノムワイドDNAメチル化解析、トランスクリプトーム解析研究において正所性子宮内膜間質細胞(euESC)に比較して、卵巣チョコレート嚢腫間質細胞(choESC)では多くの遺伝子でメチル化異常、mRNA発現異常が起こっていることを明らかとした。そこで我々はこれらの中でDNAメチル化とmRNA発現が共通して変化している遺伝子に着目し、検討を行った。KEGGパスウェイ解析からchoESCでは性ステロイド産生に関与する多くの遺伝子発現が亢進していることが判明したため、それらの遺伝子の一部 (NR5A1, STAR, STRA6, HSD17B2)に着目し、詳細なDNAメチル化とmRNA発現を検討した。まず多検体(子宮内膜間質細胞、組織)におけるmRNA発現解析に関しては、正所性内膜に比較し、卵巣チョコレート嚢腫ではNR5A1, STAR遺伝子では高発現、STRA6, HSD17B2遺伝子では低発現であった。上述4遺伝子のプロモーター領域を中心にDNAメチル化状態をbisulfite sequencing 法で解析したところ、NR5A1, STAR遺伝子ではchoESCで異常な低メチル化状態、STRA6, HSD17B2遺伝子では異常な高メチル化状態であった。多検体を用いたhigh resolution melting解析でもほぼ同様の結果が得られた。 一方、子宮内膜症発症メカニズムの一端を明らかにする目的で、ダイオキシンの子宮内膜細胞に対する作用を検討した。培養正所性子宮内膜間質細胞にダイオキシンを添加し、ゲノムワイドDNAメチル化プロファイル変化について、infinium法 (Humanmethylation450k)を用いて検討を行ったが、有意な変化を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子宮内膜細胞へのダイオキシン添加実験においては、有意な結果が得られなかったが、子宮内膜症の特性の一つである性ステロイド産生能に関する解析で、順調に良好な結果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
子宮内膜症病変の性ステロイドホルモン産生にはレチノール酸代謝の低下が関与していることを見いだした。今後はレチノール酸投与が子宮内膜症進展を阻止できるかについて実験的に検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
DNAメチル化解析が順調に進んだことにより、当初予定より試薬等の購入費を低額に抑えられたため、次年度使用額が生じた。 次年度のDNAメチル化解析等に必要である試薬等の購入費に充当する。
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