2015 Fiscal Year Annual Research Report
胎盤特異的発現を示す細胞融合抑制タンパク:サプレシンのin vivo機能解析
Project/Area Number |
25462567
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
杉本 潤 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10315476)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | サプレシン / 内在性レトロウイルス / 胎盤 / 細胞融合 / 絨毛初代培養細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、胎盤特異的に発現し細胞融合を負に調節するタンパク:サプレシン(Suppressyn)を見いだした。(Sugimoto et al. Sci Rep 2013) 今回、サプレシンタンパクの細胞融合抑制能をより生体に近い状態で解析するため、ヒト満期胎盤由来絨毛初代培養細胞を用いた融合抑制効果の検証と、マウスサプレシン遺伝子の単離・同定を計画した。 これまでに報告されてきた単離・培養方法をアレンジすることで、当研究室独自の絨毛初代細胞培養法を確立し、この細胞を用いてサプレシン遺伝子のノックダウンを試みた。この結果、サプレシン特異的なsiRNA処理を行った絨毛細胞では、コントロールに比べ、融合していない細胞が15%程度減少することが明らかとなった。これは、サプレシンの細胞融合抑制タンパクとしての機能を示唆するものであると考えている。 マウスサプレシン遺伝子単離・同定に関しては、すでにデータベース上に登録されているマウス胎盤由来RNAseq解析結果をもとに、胎盤で発現するレトロウイルス配列を抽出した。この結果、胎盤特異的に高発現する非常に興味深い候補遺伝子1つを含む、4つの遺伝子を明らかにした。現在これらのマウス遺伝子をクローニングし、細胞融合抑制効果の有無をin vitroで検証している。 以上のように、本研究助成により、絨毛初代培養細胞の単離・培養法を確立し、生体環境に近い機能解析を行うことが可能となった。また、in vivo機能解析の最終目的であるノックアウトマウス作製の為のマウスサプレシン遺伝子単離も、候補遺伝子を4つに絞ることができた。今後、これらの解析を発展・応用することにより、サプレシンタンパクの細胞融合抑制能を証明することができると考える。
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Research Products
(1 results)