2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25462579
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
河村 七美 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (70323152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 和弘 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (10344756)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 早発卵巣不全 / 卵胞発育 |
Research Abstract |
早発卵巣不全や高齢の不妊患者では、卵胞が発育せず自らの卵子を用いた妊娠は非常に困難である。我々は最近、休眠原始卵胞の人為的活性化に成功したが、初期卵胞発育機構は未だ不明の部分が多い。本研究は、初期卵胞の発育を制御する因子を網羅的に同定し、これらの因子を用いて人為的に活性化した原始卵胞の発育をさらに促進する新たな不妊治療を開発することが目的である。本年度は、1. マウスおよびヒトの初期卵胞の発育に重要な細胞シグナル(リガンド/受容体)の候補の網羅的同定、 2. 初期卵胞発育促進法の開発にむけた初期卵胞発育の制御因子の同定とその発育制御機構の解明と初期卵胞発育の制御因子の生体内での効果判定を行った。各発育段階のマウス初期卵胞(原始卵胞、1次卵胞、2次卵胞)をレーザーマイクロダイセクションにて採取してDNAマイクロアレイに供し、各発育段階の卵胞に発現している分泌シグナルをもつリガンドとそれらの受容体の発現量および発現変化を比較定量した。データマイニングを行い、候補因子を抽出した。候補因子のうち、c-type natriuretic peptide(CNP) およびR-spondin2(Rspo2)を新たな初期卵胞発育の促進因子として同定した。CNPは卵胞顆粒膜細胞で産生され、cGMP経路を介してマウスおよびヒト初期二次卵胞の発育を促進した。この効果はマウス生体内でも認められ、副作用も認めなかった。Rspo2は1次卵胞以降の卵子で産生され、Wntシグナルを介してマウスおよびヒト1次卵胞以降の発育を促進した。この効果はマウス生体内でも認められ、副作用も認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度完了を予定していた1. マウス初期卵胞の発育に重要な細胞シグナル(リガンド/受容体)の候補の網羅的同定は既に終了している。データマイニングにより候補となる細胞シグナル(リガンド/受容体)を絞り込み、そのうちCNPとRspo2について、卵胞発育制御機構ならびに生体内での効果を明らかにしている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、候補因子の中から初期卵胞発育制御作用を示すものを同定し、生体内での効果を判定する。また、初期卵胞発育促進作用を示す因子、あるいは初期卵胞発育抑制作用を示す因子の阻害剤を用いて、人為的に活性化した原始卵胞の発育を促進させる新たな治療法の開発を試みる。最終的には、同定した初期卵胞発育制御因子の早発卵巣不全への関連性について、早発卵巣不全患者における初期卵胞発育制御因子の遺伝子異常の有無を調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初期卵胞の発育を制御する因子の網羅的検索の結果、複数の候補因子が得られた。本年度はそのうち、2つの候補因子に対する機能解析を行った。残りの候補因子に対してそれぞれ機能解析を行う必要があり、次年度以降に実験を行う予定とし、予算を繰り越した。 研究計画に従って、残りの候補因子に対して機能解析を行い、初期卵胞発育制御作用を示すものを同定し、生体内での効果を判定する。
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Research Products
(4 results)