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2015 Fiscal Year Research-status Report

胚性幹細胞の新しいリプログラミング技術による高品質化と再生医学応用への基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 25462582
Research InstitutionNational Institute of Health Sciences

Principal Investigator

三浦 巧  国立医薬品食品衛生研究所, 再生・細胞医療製品部, 室長 (60405355)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2017-03-31
KeywordsiPS細胞 / 幹細胞 / リプログラミング
Outline of Annual Research Achievements

本研究で樹立されたリプログラミング因子依存性ナイーブ型ヒトiPS細胞は、多能性幹細胞としての特性を一部失っており、ナイーブ状態よりも下位に位置する幹細胞であることが示唆された。今年度はこのナイーブ状態よりも下位に位置する幹細胞(非ナイーブ様幹細胞)の初期化機構を解明する目的で、非ナイーブ様幹細胞におけるトランスクリプトーム解析およびメチル化解析を以下の通り実施した。(1)遺伝子発現パターンの評価:非ナイーブ様幹細胞、プライム型ヒトiPS細胞および神経幹細胞における遺伝子発現パターンを、DNAマイクロアレイやTaqMan Human Stem Cell Pluripotency Arrayにより網羅的に解析し、遺伝子発現レベルから見たこれら細胞株間の類似性または相違性を評価した。クラスタリング解析の結果、非ナイーブ様幹細胞と神経幹細胞の遺伝子発現パターンは著しく類似していることが明らかとなった。(2)エピジェネティクス解析:非ナイーブ様幹細胞におけるリプログラミング状態を評価するために、非ナイーブ様幹細胞とプライム型ヒトiPS細胞における未分化マーカーのプロモーター領域のDNAメチル化状態をバイサルファイトシーケンス法により解析し、両細胞株の類似性・相違性を評価した。さらに、(1)で得られたトランスクリプトーム解析の結果との関連性についても検証した。その結果、NanogおよびRex1遺伝子のプロモーター領域のメチル化パターンは、遺伝子発現パターンと一致して両細胞株において著しく異なっていた。興味深いことに、Oct4の発現は非ナイーブ様幹細胞では発現が認められないにも関わらず、Oct4遺伝子プロモーター領域のメチル化パターンは、非ナイーブ様幹細胞とプライム型ヒトiPS細胞はともに低メチル化状態にあり、非ナイーブ様幹細胞は部分的にリプログラミングされていることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、「ナイーブ状態よりも下位に位置する幹細胞(非ナイーブ様幹細胞)における初期化状態の機構解明」を主な研究計画として掲げ、本計画を遅延なくすべて遂行することができた。我々が樹立したリプログラミング因子依存性非ナイーブ様幹細胞は、多能性幹細胞としての特性は一部失われていたが、網羅的遺伝子発現解析およびメチル化解析により、非ナイーブ様幹細胞は部分的にリプログラミングされていることが判明した。

Strategy for Future Research Activity

平成28年度も引き続き、非ナイーブ様幹細胞のリプログラミング機構の解明に関する研究を行う。最終的には、前年度に実施された遺伝子発現およびDNAメチル化解析のデータをさらに精査し、非ナイーブ様幹細胞のリプログラミングに関わるタンパク質相互ネットワークを予測することで、初期化に必要な遺伝子やリプログラミング促進化合物の同定などを新たに行う。

Causes of Carryover

研究資材の調達方法の工夫などにより、当初の計画より経費の節約ができたため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

本年度は当初の予定よりも研究が進み、我々が樹立したナイーブ状態よりも下位に位置する幹細胞(非ナイーブ様幹細胞)は部分的にリプログラミングされた細胞であることを明らかにすることができた。以上の研究成果をさらに発展させるために、次年度は当初の予定を適宜修正し、網羅的遺伝子発現解析や分化誘導実験などを追加で実施することで、本細胞の特性をより詳細に解明する予定である。そのため、当該助成金は、上述に関わる物品費分に割り当てられる予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2015

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results,  Acknowledgement Compliant: 2 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Xenogeneic-free defined conditions for derivation and expansion of human embryonic stem cells with mesenchymal stem cells.2015

    • Author(s)
      2.Akutsu H, Machida M, Kanzaki S, Sugawara T, Ohkura T, Nakamura N, Yamazaki-Inoue M, Miura T, Vemuri MC, Rao MS, Miyado K, Umezawa A.
    • Journal Title

      Regenerative Therapy

      Volume: 1 Pages: 18-29

    • DOI

      10.1016/j.reth.2014.12.004

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] Generation of primitive neural stem cells from human fibroblasts using a defined set of factors.2015

    • Author(s)
      3.Miura T, Sugawara T, Fukuda A, Machida M, Tamoto R, Kawasaki T, Umezawa A, Akutsu H.
    • Journal Title

      Biology Open

      Volume: 4 Pages: 1595-1607

    • DOI

      10.1242/bio.013151

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] ゼノフリー2015

    • Author(s)
      三浦 巧
    • Journal Title

      再生医療

      Volume: 14 Pages: 52-53

  • [Presentation] 1.The Laws and Regulations for Regenerative Medicine and Cell-Based Therapy in Japan.2015

    • Author(s)
      Takumi Miura
    • Organizer
      World Stem Cell Summit 2015
    • Place of Presentation
      アメリカ合衆国アトランタ
    • Year and Date
      2015-12-10 – 2015-12-12
    • Int'l Joint Research / Invited

URL: 

Published: 2017-01-06  

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