2015 Fiscal Year Annual Research Report
初代培養細胞塊をもちいた子宮体部癌肉腫の新しい治療戦略の樹立
Project/Area Number |
25462591
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 征巳 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 招へい准教授 (60303963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 豊 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10346215)
小林 栄仁 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50614773)
吉野 潔 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90362730)
木村 敏啓 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 招へい教員 (90584524)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 婦人科腫瘍 / 子宮体部癌肉腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮体部癌肉腫は通常頻繁に認められる類内膜腺癌と異なり子宮体部より発生する上皮性成分と間葉性成分がともに悪性である極めて予後不良の腫瘍であり子宮体部悪性腫瘍の約4%を占める。また、初期の段階では手術療法が標準治療となるが、進行例における治療法は確立されていない。本研究においては、以下の3点を目的とし個々の症例に最適な治療法を選択する基礎となることを目的とし、研究を行った。 1.CTOSの確立:子宮体部癌肉腫の三次元培養としてCTOS(cancer tissue originated spheroid)の作成を行った。これまで子宮体部癌肉腫11症例について、初代培養細胞の作成を行い、11例全てでspheroid形成を認め、55%にあたる6例では2週間培養を維持できた。このことより子宮体部癌肉腫初代培養細胞のCTOS培養条件についてはほぼ確立された。 2.in vitroにおける薬剤感受性スクリーニング: spheroid形成を確認した培養細胞3例を用いて標準阻害剤キットを用いて、薬剤癌受性試験(in vitro)を行い、効果の期待できる既存の薬剤をスクリーニングで選択した。mTOR阻害剤、survivin阻害剤、NF-Kb阻害剤によるCTOS増殖抑制効果が認められた。 3.in vivoにおける薬剤感受性スクリーニング: 形成されたCTOS8例をマウスに移植し3例で腫瘍形成を認めたが、実験の遅れのため、in vivoにおける薬剤効果判定を行うことができなかった。 今回、in vivoでの実験を行うことができなかったが、手術検体からの子宮体部癌肉腫のCTOS作成が可能であることが明らかとなった。またCTOSを用いて、薬剤感受性をスクリーニングすることが可能であることが明らかとなり、今後、患者個人ごとのオーダーメード治療を行う際にCTOSが一つの方法となり得ることを示した。
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