2013 Fiscal Year Research-status Report
免疫抑制状態を解除する抗腫瘍エフェクター細胞の構築と卵巣癌免疫療法への応用
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25462607
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 元晴 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (50406443)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 癌 / 産婦人科 / 免疫 |
Research Abstract |
健常人末梢血単核球をα-GalCerにて刺激することによってα-GalCer特異的ヒトVα24 iNKT細胞の増殖を誘導した。これから高速自動セルソーターを使用して、Vα24+Vβ11+6B11+ヒトiNKT細胞を精製分離し、7-9日おきに複数回刺激することで株化した。一方、健常人末梢血単核球よりCD14+モノサイトを磁気分離した。これにIL-4, GM-CSFを添加して6日間培養することで樹状細胞(DC)を誘導した。iNKT細胞は、主にCD4+CD8β-とCD4-CD8β-の2つの主要なサブセットから構成されていた。この細胞は、IFN-γ, TNFα, IL-4, IL-5, IL-10, IL-13を産生し、腫瘍血管形成に促進的なIL-17を産生しなかった。iNKT細胞とDCを共培養してDCが産生するIL-12ファミリーサイトカイン(IL-12, IL-23, IL-27, Osteopontin)を評価したところ、α-GalCerでiNKT細胞を刺激した場合には、DCにおけるIL-12とIL-27が産生上昇し、IL-23とOsteopontin産生が低下することが明らかとなった。以上より、iNKT細胞はDCと相互作用することでIL-12産生を誘導して細胞性免疫応答を促進する。一方、IL-23とosteopontinの産生を低下させ、癌の増殖に適した環境を改善しうることが明らかとなった。IL-27は、Th1分化に促進的であると言われているが、一方でIL-10を産生して免疫抑制を示すTr-1細胞の分化に関与することが知られている。現在、iNKT細胞とDCの相互作用により産生促進されるIL-27が免疫応答性を如何に制御しうるのか解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IL-12ファミリーサイトカインに着目することでIL-27の変動をとらえることができた。これのメカニズムを明らかにすることはできなかったが新たな知見を得ることができたのでおおむね順調と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
IL-27産生上昇にiNKT細胞が産生する液性因子が重要なのか、あるいは細胞同士の接触が重要なのかを明らかにする。これの結果により研究展開が異なるが、阻害抗体・中和抗体を用いた試験で、責任因子を同定する予定である。
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[Presentation] TRAILを発現する多能性幹細胞由来ミエロイド細胞を用いた細胞医薬の開発2013
Author(s)
牧寛之, 植村靖史, 張エイ, 竹田和由, 劉天懿, 鈴木元晴, 都築忍, 岡村文子, 赤塚美樹, 西村泰治, 千住覚, 葛島清隆
Organizer
第72回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
パシフィコ横浜(横浜市)
Year and Date
20131003-20131005