2013 Fiscal Year Research-status Report
各種婦人科癌特異的糖鎖を利用した転移・抗癌剤耐性に関わる細胞特性の解明とその応用
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25462623
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Research Institution | Sasaki Foundation |
Principal Investigator |
坂本 優 公益財団法人佐々木研究所, その他部局等, 研究員 (20260101)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | PDT(光線力学的療法) / レザフィリン / 子宮頸がん |
Research Abstract |
婦人科癌のPDT(光線力学的療法)治療において、より腫瘍特異的に光感受性物質の取り込みをさせるため、糖鎖およびその結合分子であるレクチンを応用し、臨床への応用を目指すための研究を行うため、癌細胞特異的な光感受性物質の取り込みに関与する糖タンパクを同定するための準備を行った。子宮頚部腺癌細胞株HelaS3と子宮頚部扁平上皮癌細胞株Caskiに光感受性物質(レザフィリン)を24時間暴露させ、培地交換した後に、664nmの波長のレーザーを照射することで細胞死を起こさせることができた。そこで、子宮頚部腺癌細胞株HelaS3と子宮頚部扁平上皮癌細胞株Caskiを用いて、レザフィリン(6μg/ml) 24時間暴露後のレーザー照射を行っても生存した癌細胞とレザフィリン(6μg/ml)24時間暴露後にレーザー照射を行なわなかった癌細胞のタンパク抽出を行った。さらにこれらを用いてレクチンにより糖鎖をもつタンパク質を抽出し、蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動法を用いてタンパク発現の差を検討することで、PDT治療が効いた細胞と効かなかった細胞での糖タンパク発現の差を検討する予定である。それによって癌細胞への光感受性物質の取り込みが起こるために必要な糖タンパクを抽出する予定である。また、子宮頚部腺上皮由来不死化細胞株NCC16-P11と子宮頚部扁平上皮由来不死化細胞株NCE SVIA6を用いて、同じ実験をし、子宮頸がん細胞株で抽出された糖タンパクと比較することで、癌細胞に特異的な光感受性物質の取り込みに関係する糖タンパク分子を抽出する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究分担者の転勤による辞退のため、実験計画の再編成に時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
放射線治療後の子宮頸がんなど低酸素状態のためPDT治療では効かない可能性があることが問題であるため、低酸素暴露下で癌細胞特異的な光感受性物質の取り込みに関係する糖タンパク分子を抽出し、通常酸素分圧下での癌細胞特異的な光感受性物質の取り込みに関係する糖タンパク分子との違いを検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験計画の再編成に時間がかかったため、用いた試薬、消耗品が少なかったため。 試薬、消耗品、必要な備品代などとして使用する予定である。
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Research Products
(5 results)