2015 Fiscal Year Research-status Report
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25462627
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
杉本 晃 帝京大学, 医学部, 講師 (50436432)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 耳小骨連鎖 / マイクロCT / 鼓室形成術 / 側頭骨再生 / 骨形成蛋白(rhBMP-2) |
Outline of Annual Research Achievements |
鼓室形成術や乳突削開術後の側頭骨欠損部の再建に対して、以前より軟骨、筋膜、骨片、骨パテ等が再建材料として用いられてきた。しかしそれぞれ問題点があり、現在側頭骨における骨再建法は確立されていない。またこれらの再建法では、骨組織の骨化、吸収というリモデリング能を有する生理的な正常骨にはらない。そのため現在組織工学的手法を用いた骨組織の再建が注目されてきている。生理的な骨形成を期待できるものとして、骨形成蛋白: rhBMP-2 (rh Bone morphogenetic protein -2)が注目されている。 平成27年度は、この骨形成因子を用い追加実験を施行した。27年度は、人間の側頭骨の手術に準じた方法をとった。モルモット側頭骨を人間での臨床に即し、中耳根本術に準じた削開術を施行。実験方法は、モルモットに対し側頭骨を手術にそくし削開し、担体に投与薬物を浸透させこれを埋め込み閉創する。評価方法は、昨年度と同様に、骨組織を再生させる際、rhBMP-2の担体として、Ⅰ型アテロコラーゲンを使用する。処置一定期間後マイクロCTにて評価する。結果は、rhBMP-2投与したものでは、処置後経時的にマイクロCTを用いて測定し、側頭骨の再生することに成功し、客観的に評価でき、今後の臨床応用に向けた道筋ができた。 この実験を行うことにより、将来rhBMP-2を使用する中耳手術法が一般化し、標準的手術治療方法になることが期待される。その結果、中耳手術後の聴力の改善、さらにはcavity problemsも防ぐことができ、多くの中耳疾患の有効治療につながることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、モルモット側頭骨全体を中耳根本術に準じた削開術の補法で、rhBMP-2を使用することにより、側頭骨再生することができた。今後の臨床応用に向けた道筋ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
モルモットを用いた動物実験を行い、耳小骨の再生、耳小骨連鎖の再建、外耳道後壁を再建や、中耳腔、乳突腔の含気化の過程をCTにて測定していく。骨組織を再生させる際、rhBMP-2の担体として、Ⅰ型アテロコラーゲン以外にも生分解性ポリマー等も検討する。再生した新生骨をもちいて、耳小骨連鎖を再建し鼓室形成術を施行する。機能的評価として、聴力の変動を聴性脳幹反応にて測定する。その他、外耳道容積、鼓膜コンプライアンスをティンパノグラムにて測定する。新生骨組織の有用性および、cavity problems発症防止の効果を検討する。また、耳小骨連鎖の長期安定性についても調べる。中耳腔、乳突腔の含気化の条件を調べ、側頭骨でのbone morphogenetic proteinの含気化に影響する因子を検討していく。今後は人を用いた、臨床応用も検討していく。
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Causes of Carryover |
予定していた学会参加が翌年度になったため、一部の使用額が翌年度に生じたため。 実験のため予定していた機材の購入が、翌年度になったため、一部の使用額が翌年度に生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に持ち越し分で、27年度に購入予定だった実験のための器材を28年度に購入する。 次年度に持ち越し分で、27年度に予定していた学会報告を28年度におこなう。
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