2016 Fiscal Year Annual Research Report
Role of inflammasome and Toll-like receptor in chronic otitis media
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25462642
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
假谷 伸 岡山大学, 大学病院, 講師 (10274226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 光博 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (60304359)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中耳炎 / サイトカイン / 免疫学 / 炎症 / インターロイキン / 病原体 / 細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
インフラマソームは複数のタンパク質からなるタンパク複合体で、いくつかの種類があることが報告されている。また、グラム陰性菌のもつ主要な病原物質の中で、エンドトキシンはトール様受容体で認識されることが報告されている。我々は、インフラマソームの中で、NLRP3インフラマソームに注目して研究を行った。マウスの中耳にエンドトキシンを注入したところ、細胞質内の異物や病原体の病原因子がトール様受容体及び細胞内受容体で認識され、NLRP3インフラマソームが形成されることを示した。また、ヒト中耳炎症例で、中耳粘膜や中耳炎症生肉芽をサンプルとして検討を行い、それらの組織の中にNLRP3インフラマソームの構成蛋白やトール様受容体が発現していることを示した。NLRP3インフラマソームはapoptosis-associated speck-like protein containing a CARD (ASC) などのシグナル伝達分子を介してカスパーゼ-1の前駆体を活性型カスパーゼ-1に変換する。活性型カスパーゼ1は炎症において重要な働きを有するインターロイキン1βを前駆体から活性型に変換する作用を有する。中耳炎においてもインターロイキン1βが需要な役割を果たしていることが報告されている。我々の検討によって、NLRP3インフラマソームを介する代謝経路を制御することが中耳炎のコントロールに有用であることが示唆された。
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