2013 Fiscal Year Research-status Report
次世代シーケンサを用いた沖縄県難聴患者の網羅的遺伝子解析と臨床応用に関する研究
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25462649
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
我那覇 章 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00347155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
要 匡 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40264288)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 難聴遺伝子 / 次世代シーケンサ / 沖縄 |
Research Abstract |
本研究は、① 次世代シーケンサによる塩基配列の決定、② 塩基配列の解析とサンガー法による直接シーケンス法による変異の確認、③ 疾患の原因となる変異かどうかの解析の3つの部分から構成される。 平成25年度は、研究の対象症例として68症例より採血を行い、DNA, RNAの抽出をおこなった。また、次世代シーケンサによる包括的塩基配列の決定準備として日本人の難聴遺伝子として報告のある96遺伝子を解析候補遺伝子として選定し、そのエクソン領域をターゲットとしたHaloPlex target DNA enrichment system (Agilent Technologies, Santa Clara, CA)による濃縮パネルを作製した。現在作製した難聴遺伝子解析プレートを用いて、次世代シーケンサによる塩基配列決定を施行中である。 同時に、臨床的に原因遺伝子の推測が可能な疾患に対してはサンガー法による直接シークエンス法により変異の解析も進めている。加えて、次世代シーケンサを活用した、プロモーター領域を含めた遺伝子全長の詳細な解析も試みている。平成25年度は、Noggin遺伝子を対象として、遺伝子上流約3kbを含むNoggin遺伝子のlong-PCRによる遺伝子全長増幅系を構築し、次世代シーケンサによる解析を試行した。現在までにNoggin遺伝子変異に伴う難聴の3症例中、2例において新規変異を確認し現在、論文投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象症例のサンプル採取は順調である。また、次世代シーケンサによる遺伝子解析に用いる難聴遺伝子解析プレートも既に作成済である。現在、次世代シーケンサによる遺伝子解析の予備実験を行っているところである。同時に原因遺伝子が特定可能な症例においては、直接シーケンス法による変異の同定も行っており、研究計画と照らし合わせておおむね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
①平成25年度に引き続き、難聴者(発端者)とその家族より検体(全血10ml)を採取し、gDNA、tRNA の抽出を行う。②難聴原因遺伝子として報告のある96遺伝子のエクソン領域をターゲットとして作成したHaloPlex target DNA enrichment systemによる濃縮パネルを用いてキャプチャーし、次世代シーケンサを用いたシークエンス解析または追加アンプリコンシーケンス解析を行う。③次世代シーケンサを用いた解析により得られた塩基配列の解析を行う。1. ヒトゲノムデータベースと照合した変異部位、SNP の抽出:ヒトゲノムリファレンス配列と異なる塩基配列の抽出、アミノ酸配列に影響を与える変異を抽出する。多型の判定には、データベースNCBI dbSNP、1000Genome database、DEAFNESS VARIATION DATABASE等を用いる。2. 得られた変異についてはサンガー法による直接シークエンス法により変異の確認を行う。3. 確認できた変異については、一般集団における頻度確認も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在、次世代シーケンサの予備実験中であり、蓄積したサンプルの一部のみを解析中のために次年度使用額が生じた。 今後、次年度使用額も使用し、現在までに蓄積した全サンプルおよび今後蓄積するサンプルを順次次世代シーケンサによる解析を予定している。それに伴い、HaloPlex target DNA enrichment systemによる濃縮パネルの追加購入等が必要不可欠であり、追加解析目的に使用を計画している。
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