2015 Fiscal Year Annual Research Report
次世代シーケンサを用いた沖縄県難聴患者の網羅的遺伝子解析と臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
25462649
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
我那覇 章 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (00347155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
要 匡 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40264288)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 難聴遺伝子 / 沖縄 / 次世代シーケンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代シーケンサによる包括的塩基配列決定のために日本人の難聴遺伝子として報告のある96遺伝子のエクソン領域とターゲットとしたHaloPlex target enrichment system(沖縄版難聴遺伝子診断パネル)を作成した.本難聴パネルを用いて,沖縄県の難聴患者48家系105検体に対して難聴遺伝子解析を行った.解析を行った48家系のうち,22家系 (46%)において原因と考えられる遺伝子変異を検出した.判明した遺伝子変異のうち新規変異を認めた,指骨癒合を伴う先天性アブミ骨固着症例については論文投稿をおこなった (J Hum Genet. 2015 Jan: 60 (1):27-34). 判明した遺伝子変異のうち最も頻度の高いものは前庭水管拡大を伴う非症候群性難聴およびペンドレッド症候群の原因遺伝子であるSLC26A4遺伝子の変異であった.日本本土の先天性難聴の原因遺伝子として最も頻度の高いGLB2遺伝子変異においては沖縄出身者ではGJB2遺伝子多型は認めるもののGJB2遺伝子変異による難聴およびその保因者を認めなかった.また,確認された22遺伝子変異のうち,13変異 (59%)が新規変異であった. 以上の研究結果は沖縄県が日本本土と異なる遺伝学的背景を有し,難聴の原因遺伝子変異の分布が異なることを示唆している.また,本研究において作成した沖縄版難聴遺伝子診断パネルによる難聴の原因遺伝子検出率は46%であり,これまでの次世代シーケンサを用いた難聴遺伝子診断の報告よりも高い検出率であった.以上より,本研究で作成した沖縄版難聴遺伝子診断パネルは沖縄県の難聴患者における遺伝子診断に有用であると考えられた.
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