2015 Fiscal Year Annual Research Report
平衡リハビリテーションにおける感覚代行技術の実用化に向けた基礎研究
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25462651
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
山中 敏彰 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (90271204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 佳郎 奈良県立医科大学, 医学部, その他 (80240810)
岡本 英之 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (80316075)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | めまい / 平衡 / リハビリテーション / 感覚代行 / 姿勢・歩行 / 転倒 |
Outline of Annual Research Achievements |
[はじめに]姿勢制御は感覚系、運動系、認知系など複数の神経システムが相互に関係する身体の統合的な機能であるが、その統合中枢(中継核)となるのが脳幹に位置する前庭神経核である。平衡感覚を舌の触覚で代替する技術を搭載する装置により、前庭障害者の平衡機能が改善するメカニズムを解明するために、三叉神経系と前庭神経系のcross-modalityについて神経薬理学的に検討した。 [方法]クロラロースで麻酔した成猫の前庭神経核に脳マイクロダイアリーシスプローブを刺入して、マイクロインジェクションポンプおよびリッキドスイッチ を用いて人工脳脊髄液(aCSF)を潅流し、微小透析を行った後マイクロフラクションコレクターで経時的に回収した。この微小透析システムを用いて、三叉神経終末(上歯肉)を電気刺激(0.5mA,50Hz)し、前庭神経核で回収されたサンプルから興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸の遊離動向を調べた。 [結果]上歯肉部への電気刺激により、前庭神経核においてグルタミン酸の遊離量は刺激前より増加する傾向を示した。低カルシウム濃度のaCSFの潅流下に舌刺激を与えるとグルタミン酸遊離の増加は抑制された。以上より、上歯肉電気刺激による前庭神経核のニューロン活動の亢進は三叉神経入力によるグルタミン酸の遊離増加により惹起されることがわかった。 [結論]前庭神経核ニューロン活動はグルタミン酸レセプターを介する三叉神経入力により調節されている可能性が示唆された。三叉神経核と前庭神経核の間には機能的リンケージが存在し、舌触覚刺激により平衡機能が影響を受けることが推察される。
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Research Products
(11 results)