2013 Fiscal Year Research-status Report
内耳幹細胞ホーミング機構を応用した遺伝性難聴への多能性幹細胞治療法の開発
Project/Area Number |
25462653
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
神谷 和作 順天堂大学, 医学部, 講師 (10374159)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 再生医療 / 遺伝性難聴 / 蝸牛線維細胞 / 間葉系幹細胞 / 幹細胞ホーミング / 多能性幹細胞 / コネキシン26 / ギャップジャンクション |
Research Abstract |
内耳細胞治療による聴力回復はアプローチが困難なため近年まで成功例が皆無であった。しかし研究代表者は蝸牛線維細胞領域へ間葉系幹細胞を導入し感音性難聴の聴力回復に初めて成功した(Kamiya et al. Am J Pathol 2007)。本研究では遺伝性難聴における重要な変性細胞群を標的とした多能性幹細胞による細胞治療を幹細胞ホーミングの分子機構を増強させることにより効率化し遺伝性難聴の根本的治療法開発を目指す。 これまでの研究ではヒト遺伝性難聴で最も高頻度に変異が検出されるGjb2(コネキシン26(Cx26)遺伝子)の内耳特異的欠損モデルマウスにより、蝸牛ギャップ結合複合体の劇的崩壊が起因となり、他のコネキシンと共にギャップ結合全体が胎生期より減弱するという新たな発症メカニズムが解明された(Kamiya et al. J Clin. Invest. 2014, 日経産業新聞、時事通信他)。また骨髄間葉系幹細胞の内耳組織への誘導・修復のために必要な遺伝子を解析した結果、ケモカインMCP1とその受容体CCR2、さらにはSDF1とその受容体CXCR4が有力な内耳への幹細胞ホーミング(組織への幹細胞誘導と定着)の誘導因子としてスクリーニングされた。この自然細胞誘導・修復機構を人為的に増強する条件を検討すると、培地へのSDF1単独投与により上記二種類の受容体CCR2、CXCR4がともに大幅に発現増強されることが明らかとなった。 同条件化で移植実験を行うことにより蝸牛への細胞導入効率を飛躍的に高めることに成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GJB2変異難聴の発症機序がマウスモデルの解析により明らかになったため、この表現型を修復するための指標がより明確になったため。 内耳ホーミング機構の機序が明らかとなり、それを利用した間葉系幹細胞導入法に効果が表れたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は年度初めに詳細な支出計画を立て、中間決算により下半期の支出計画を修正することとする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
大部分の研究費に関しては計画通りに支出したが、実験動物の繁殖状況や謝金等の勤務状況に応じて予想困難な変動が生じる。今後は年度初めに詳細な支出計画を立て、中間決算により下半期の支出計画を修正することとする。 実験動物の繁殖状況や謝金等の勤務状況に応じて予想困難な変動が生じるため、適時年度計画を見直しつつ3か月ごとの支出計画の確認を行う予定である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article] Assembly of the cochlear gap junction macromolecular complex requires Connexin262014
Author(s)
Kazusaku Kamiya, Sabrina W. Yum, Nagomi Kurebayashi, Miho Muraki, Kana Ogawa, Keiko Karasawa, Asuka Miwa, Xueshui Guo, Satoru Gotoh, Yoshinobu Sugitani, Hitomi Yamanaka, Shioko Ito-Kawashima, Takashi Iizuka, Takashi Sakurai, Tetsuo Noda, Osamu Minowa, Katsuhisa Ikeda
-
Journal Title
Journal of Clinical Investigation
Volume: 124(4)
Pages: 1598‐1607
DOI
Peer Reviewed
-
-
[Journal Article] Nomura N, Kamiya K, Ikeda K, Yui N, Chiga M, Sohara E, Rai T, Sakaki S, Uchida S Treatment with 17-allylamino-17-demethoxygeldanamycin ameliorated symptoms of Bartter syndrome type IV caused by mutated Bsnd in mice.2013
Author(s)
Nomura N, Kamiya K, Ikeda K, Yui N, Chiga M, Sohara E, Rai T, Sakaki S, Uchida S
-
Journal Title
Biochem Biophys Res Commun.
Volume: 441(3)
Pages: 544-9
DOI
Peer Reviewed
-
-
-