2015 Fiscal Year Annual Research Report
嗅覚器及び嗅球の神経細胞数のステレオロジーを用いた定量解析
Project/Area Number |
25462661
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
川岸 久太郎 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (40313845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 菜奈恵 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (90334888)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 嗅神経 / 神経総数 / 神経解剖 / 嗅覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットにおける一側嗅上皮に存在し、嗅球とシナプスし、Olfactory marker protein(OMP)を発現し機能している嗅神経細胞数は新生児期の約500,000個から、生後8週で約21,000,000個まで増加する(Kawagishi K, Ando M, Yokouchi K, Sumitomo N, Karasawa M, Fukushima N, Moriizumi T.Stereological estimation of olfactory receptor neurons in rats.Chem Senses. 2015;40(2):89-95)。通常、嗅上皮に存在する嗅神経細胞数は加齢に伴い減少し、嗅覚識別能力が低下することが知られているが、ラットでは8週齢以降の加齢によっても、生後6か月、1歳齢、2歳齢まで一側主嗅上皮の嗅神経細胞数は約20,000,000~21,000,000個と変化しないことを明らかとした。 また硫酸亜鉛(ZnSO4)を用いて嗅上皮を傷害した場合、成獣(アダルト)ラットにおいて、シクロヘキシミドを識別する嗅覚機能を維持するためには約50%(約10,000,000個)のOMP陽性嗅神経細胞が必要であることも明らかとした。これは幼児期に母ラットからの授乳のために必要な嗅覚機能維持のためのOMP陽性嗅神経細胞の比率(約50%)と同じであった。ただ、アダルトラットにおいては現在までの報告と比べ、非常に高いパーセンテージの嗅神経細胞残存が必要であり、におい物質によって嗅覚識別に必要な嗅神経細胞数が異なる可能性を示唆した。
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