2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25462662
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
竹内 万彦 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50206942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 雅子 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (20378334)
藤澤 隆夫 国立病院機構三重病院, 臨床研究部, 教授 (20511140)
中谷 中 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (80237304)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 線毛 / 一酸化窒素 / 遺伝子 |
Research Abstract |
臨床症状から原発性線毛運動不全症が疑われる患者6名につき検討した。鼻腔一酸化窒素濃度の測定、電子顕微鏡による線毛の構造異常の検討、遺伝子検索を行った。 鼻腔一酸化窒素は本症の患者では低値を示すとされており、非侵襲的に短時間で測定できるためスクリーニングとして有用である。測定はATS/ERS標準法に従い、EcoMedics社製ANALYZER CLD 88を用いて測定したところ、6例中4例で著しい低値を示した。 電子顕微鏡検査による線毛の構造異常の検討は、下鼻甲介より鼻粘膜生検を行った。6例中5名でダイニン腕の短縮あるいは消失を認めた。 遺伝子解析については、スクリーニングとして6名について本疾患に関連することが報告されているDNAI1遺伝子のエクソン1,13,16,17とその周辺塩基配列、およびDNAH5遺伝子のエクソン34, 50, 63, 76,77とその周辺塩基配列の解析を行なったが明らかな病的変異はみられなかった。現在、原発性線毛運動不全症の原因遺伝子として知られているDNAI1, DNAAF3, DNAH5, HYDIN, NME8, DNAH11, DNAI2, DNAAF2 (C14orf104), RSPH4A, RSPH9, DNAAF1 (LRRC50), CCDC39, CCDC40, DNAL1, CCDC103, HEATR2,LRRC6.についてのエクソーム解析を行い、その結果を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで臨床症状から原発性線毛運動不全症が疑われる患者6名につき、鼻腔一酸化窒素濃度の測定、電子顕微鏡による線毛の構造異常の検討、遺伝子検索を行うことができた。鼻腔一酸化窒素濃度と電子顕微鏡による線毛の構造異常の検討については明らかな結果を得ることができた。しかし、遺伝子解析については、スクリーニングとしておこなった2つの遺伝子には明らかな病的変異を見いだせず、現在エクソーム解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
エクソーム解析では個々の症例についてreference geneと比べて多くの差異がみられた。しかしながら、これらのうちどれが真の病的変異であるかの絞り込みが今後必要になってくる。このためには他の領域で同様の遺伝性疾患の遺伝子解析を行っている専門家の意見を聞き、絞り込みを行う予定である。 また、今後症例数を増やして鼻腔一酸化窒素濃度の測定、電子顕微鏡による線毛の構造異常の検討、遺伝子検索を行っていく。
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