2014 Fiscal Year Research-status Report
マイクロアレイを用いたHPV関連頭頸部発癌と予後に関わるマイクロRNA異常解析
Project/Area Number |
25462673
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 英一 東北大学, 大学病院, 助手 (50644811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 武則 東北大学, 大学病院, 講師 (50375060)
堀井 明 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40249983)
齋木 由利子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80311223)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | HPV / 頭頸部癌 / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
HPV関連頭頸部癌症例の更なる理解のため、これまでに対象としてきた鼻副鼻腔癌や中咽頭癌症例に加えて、臨床的にHPV関与が示唆された重複頭頸部癌症例、喉頭癌症例、原発不明頸腫症例などを対象にHPVの関与を評価した。特記すべき結果として、HPVが複数の癌の発症に関与した症例や、過去に報告を見ない良性型HPVの関与が示された症例など、稀なHPV関連頭頸部癌症例の存在が明らかになった。 また、中咽頭癌ホルマリン固定パラフィン包埋検体より抽出したRNAを用いて行ったマイクロRNAマイクロアレイ解析の結果、HPV関連中咽頭癌に強く発現変化を認めたマイクロRNAを抽出し、RT-PCRによりその発現の確認実験を行った。近年、欧州からHPV関連頭頸部癌検体を用いたマイクロRNAマイクロアレイの報告がなされ(Lajer、2012)、本研究と間に認められた多くの共通マイクロRNAはHPV関連癌における普遍的な関与を示唆する一方、本研究のみに発現変化を認めたものについては、HPV関連癌における人種差や地域差を説明しうる可能性が考えられた。同時に、凍結検体由来の報告との高い相関から本研究のパラフィン検体を用いたマイクロRNAアレイの有効性が示された。過去に報告のない新規検出マイクロRNAを中心に、HPV陽性ならびに陰性頭頸部癌細胞株、および同HPV関連腫瘍の子宮頸癌細胞株を用いて、リポフェクション法によるマイクロRNA強制発現/抑制による機能解析実験を行った。腫瘍増殖能アッセイにおいて増殖能亢進への関与が示唆されるマイクロRNAを認めたが、今現在、HPVに特異的かつ有意な結果には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
頭頸部癌症例におけるHPV関与の評価は、初年度以降も幅広い対象症例にて順調に行われかつ新知見も得られており、順調な進行と考える。一方でマイクロアレイにて得られた候補マイクロRNAをターゲットとしたin vitro機能解析実験においては、HPV関連癌の発癌や予後に関わるマイクロRNAの有意な結果は得られておらず、27年度に跨って引き続き継続する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍増殖、浸潤能評価といった腫瘍機能評価法に加えて、さまざまな切り口でHPV関連中咽頭癌に関わるマイクロRNAの同定に努める。特に、本研究で得られたHPV関連候補マイクロRNAの中で、ごく最近になって他臓器癌において分子生物学的な特徴との関連が報告されたものがあり、HPV関連癌にも特徴的とされる分子生物的特徴でもあることから、今後のin vitro機能解析実験の評価項目に加えて検討を行う方針である。
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Causes of Carryover |
今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に跨って行う実験に用いる他、平成27年度請求額と合わせ、当初計画した平成27年度の研究遂行に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Human papillomavirus status of head and neck cancer as determined in cytologic specimens using the hybrid-capture 2 assay.2014
Author(s)
Smith DF, Maleki Z, Coughlan D, Gooi Z, Akpeng B, Ogawa T, Bishop JA, Frick KD, Agrawal N, Gourin CG, Ha PK, Koch WM, Richmon JD, Westra WH, Pai SI
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Journal Title
Oral Oncology
Volume: 50(6)
Pages: 600-604
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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