2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25462674
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 彰剛 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (20578968)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 舌癌 / 再建術 / 脳磁図 / 体性感覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
【緒言】口腔癌に関する正確な全国調査は実施されていない。わが国における口腔癌罹患者は全癌の1から2%、全頭頸部癌の約40%を占める。この口腔癌の約60%は舌癌である。これまでは、舌癌に対し遊離前腕皮弁による舌再建術後の感覚回復に関する報告が散見されるが,多くは被験者の主観的報告による。これまで前腕皮弁による再建舌と大脳の機能局在を明らかにした報告はない。本研究では、舌癌に対する外科的治療後に遊離皮弁による再建術を受け機能回復を認めた患者を対象に、機能回復した感覚の神経基盤について脳磁図を用いて再建舌電気刺激による体性感覚誘発磁界反応: SEFsを計測し,術後、機能回復を達成した患者に対しニューロイメージングを用いて明らかにすることを目的とした。【対象・方法】前腕皮弁による再建術を受けた患者6名(男性5名、女性1名、平均年齢60.3歳)、12半球を対象とした。全ての患者には、事前に東北大学大学院医学系研究科倫理委員会に承認を受けた研究計画書に同意を得ている。舌刺激SEFs方法として、 クリップ型電気刺激装置を使用し、残存舌と再建舌のそれぞれの舌刺激SEFsを計測した。解析として刺激対側半球の約50ms後ろ向き電流方向の活動に対し電流双極子モデルを用いにて信号源推定を行い各被験者のMR画像に信号源を投射し評価した。【結果】残存舌電気刺激により6半球全てにおいてSEFsを認めた。再建舌電気刺激では、6名3半球にSEFsを認めた。3名3半球には加算平均法では明らかなSEFsを認めなかった。【結論】再建舌電気刺激により残存舌と同様のSomatotopyを示すSEFsが確認された。本研究成果により、今後の舌癌に対する治療として遊離前腕皮弁による舌再建術が有効で有り、機能の回復が期待されることが示され有意義のある研究成果を出せたと考える。
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Research Products
(2 results)