2015 Fiscal Year Annual Research Report
声帯瘢痕に対する細胞移植による再生医療に関する研究
Project/Area Number |
25462680
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平野 滋 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10303827)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金丸 眞一 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (00271510)
楯谷 一郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20526363)
北村 守正 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60543262)
中村 達雄 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (70227908)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 声帯瘢痕 / 再生医療 / 細胞治療 / 幹細胞 / コラーゲン / ジェラチン / 線維芽細胞増殖因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:細胞移植を用いた声帯の再生医療を確立することを目的とした。 細胞ソースの樹立:細胞ソースとしては、iPS, MSC(骨髄由来間葉系幹細胞、ASC(脂肪由来間葉系幹細胞), MNC(単核球)を候補としたが、自家幹細胞であるMSC, ASCに絞られ、両者の細胞樹立系を確立した。 再生効果の検証:ラット声帯瘢痕を作成し、GFP標識したMSCおよびASCを声帯へ移植した。1か月後の細胞生着は良好で、3か月後の組織所見で細胞移植におり声帯のヒアルロン酸の回復とコラーゲンの消化が認められ良好な再生効果が確認された。投与後1か月の声帯内における遺伝子発現では、ASC群でHGF、ヒアルロン酸合成酵素(HAS)の遺伝子発現が強いことを確認した。次に、イヌ声帯瘢痕にMSC, ASCの移植実験を行った。6か月後の振動機能検査で、両細胞群はSham群より有意に振動機能の改善が確認されたがASCのほうがより声門閉鎖が良好で、かつ声帯内のヒアルロン酸の回復とコラーゲンの消化において優れていた。 再生土台、増殖因子を用いたハイブリッド効果の検証:再生土台として増殖因子を徐放可能なコラーゲン・ジェラチン複合土台(CGS)を開発した。声帯から抽出した線維芽細胞をCGS上で3次元培養した結果、線維芽細胞はCGS上でよく生着し、bFGF存在下において有意に細胞増殖が促進された。またbFGF存在下において細胞からの内因性bFGF, HGF、HAS-1, 2の遺伝子発現が亢進された。次に、CGS+bFGFのイヌ声帯瘢痕への移植実験を行った結果、ハイブリッド移植は声帯振動の改善、ヒアルロン酸の回復などにおいて有意に良好な再生効果をもたらした。 考察:今回の成果より、細胞移植による声帯再生においてはASCが最も至適と考えられ、bFGFやCGSとのハイブリッドでより強力な再生効果が確認できた。
|
-
-
-
[Journal Article] Comparison of ASCs and BMSCs combined with atelocollagen for vocal fold scar regeneration.2015
Author(s)
Hiwatashi N, Hirano S, Suzuki R, Kawai Y, Mizuta M, Kishimoto Y, tateya I, Kanemaru S, Nakamura T, Dezawa M, Ito J.
-
Journal Title
Laryngoscope
Volume: 0
Pages: 0
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-