2013 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部癌に対するヒト乳頭腫ウイルス遺伝子を標的とした集学的治療の開発
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25462683
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大月 直樹 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40343264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹生 健一 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20251283)
白川 利朗 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (70335446)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ヒト乳頭腫ウイルス / 頭頸部癌 / アデノウイルスベクター / アンチセンスRNA |
Research Abstract |
頭頸部癌の発癌要因として喫煙・アルコールの関与が知られているが、近年ヒト乳頭腫ウイルス(以下HPV)の関与が指摘されている。すでにHPVに関連する子宮頸癌では癌化に主要な役割を果たしているのはE6、E7であることが明らかとなっている。 これまで我々は、HPV16陽性頭頸部癌細胞株にin vitroでHPV癌遺伝子E6、E7に対するsiRNAを導入することによりpRbおよびp53の発現が回復し、結果として細胞増殖が抑制され、アポトーシスが誘導されることを示し、in vivo実験においてもE6、E7に対するsiRNAの腫瘍内投与により腫瘍増殖が有意に抑制されることを確認している。 本研究では、E6、E7遺伝子の抑制をより効率的に行うためにE6、E7遺伝子に対するアンチセンスRNA遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターを作成しその細胞殺傷効果をin vitroで確認するために実験を行った。その結果、HPV16陽性頭頸部癌細胞株において、E6、E7遺伝子に対するアンチセンスRNA遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクター(Ad-AS-E6、Ad-AS-E7)に暴露することにより濃度依存性に細胞毒性が見られることがわかった。一方、HPV16陰性頭頸部癌細胞株では、明らかな細胞毒性効果は見られなかった。現在、腫瘍移植マウスモデルを用いてin vivo実験を行い、結果を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に計画していたE6、E7遺伝子に対するアンチセンスRNA遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターを用いてHPV16陽性頭頸部癌細胞株に対する細胞殺傷効果をin vitroで確認する実験は終了し、腫瘍移植マウスモデルを用いてin vivo実験に取りかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍移植マウスモデルを用いてin vivo実験の結果を解析し、E6、E7遺伝子に対するアンチセンスRNA遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクター(Ad-AS-E6、Ad-AS-E7)の局所投与の有効性を明らかにする。また、抗癌剤との併用により抗腫瘍効果が増強するか否かをin vitroおよび腫瘍移植マウスモデルを用いたin vivo実験で確認し、その抗腫瘍効果(増感効果)のメカニズムについて解明したいと考えている。
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Research Products
(4 results)