2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25462687
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
増田 聖子 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (70346998)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 瘢痕声帯 / フェレット |
Outline of Annual Research Achievements |
研究を始めるにあたって、始めに動物モデルの作製を行った。声帯瘢痕の基礎研究においては様々な動物種が使用されており、当初の計画ではラットを用いることとしていたが、ラットは体格が小さく、声帯への瘢痕作製には技術的な修練が必要となる。そのため、計画を変更し、当教室の他のスタッフで経験があるフェレットを用いて瘢痕声帯モデルを作製し、研究を行うこととした。この一年ではフェレット瘢痕声帯モデルの作製までを行ったので経過を報告する。 20-22週令のオスフェレットを使用し、長鼻鏡にアームを組み合わせた独自の手術器具を用いて喉頭展開し声帯を観察した。右声帯の前連合から声帯突起までを電気メスで焼灼し瘢痕を形成した。処置後4週で喉頭を摘出し、瘢痕作製の可否をHE染色、Alcian blue 染色、Elastica van Gieson 染色を行い組織学的に評価した。 長鼻鏡による喉頭展開で、手術用顕微鏡下に声帯全長を観察でき良好な視野を得られ、電気メスでの焼灼も容易であった。摘出喉頭について声帯膜様部と声帯軟骨部の長さ比をフェレット10匹、ラット6匹について計測すると、その比はそれぞれ平均で1.66±0.26、0.32±0.01であった。ヒト喉頭では1.6-1.8 (Rogers et al. 2014 )とされており、フェレットはラットよりもヒトに近い比率であった。また、組織学的評価では処置側声帯において声帯粘膜固有層の狭小化、ヒアルロン酸の減少、コラーゲン線維の増生が見られた。 これまでの研究で声帯膜様部と声帯軟骨部の長さの比が長くラットよりもヒトに近いことが明らかとなった。声帯膜様部長が長いため良好な視野が得られ、声帯瘢痕の作製がラットよりも容易で研究に有利であると考えられる。また、組織学的評価では他の動物種と同様に処置側声帯で瘢痕声帯に特徴的な所見が見られ、瘢痕声帯モデルの作製に成功したと言える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ラットでの瘢痕声帯作成を当初試みたが、サイズが小さいためになかなかうまくいかなかった。そのためフェレットに変更した。そのために進行が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
次は声帯への遺伝子導入を試みる。
|
Causes of Carryover |
実験の遂行が遅れているため、費用の支出も遅れている。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
まだ着手できていない遺伝子導入実験を開始する予定である。それに伴い費用の支出も予定どおり必要となる。
|
Research Products
(4 results)