2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25462691
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
齋藤 康一郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40296679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩丸 有史 慶應義塾大学, 医学部, 研究員 (00296592)
座間 猛 慶應義塾大学, 医学部, その他 (30296719) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 頭頸部腫瘍 / 診断 / 治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部癌におけるスモールRNAの発現解析を進めるなかで、とくにmiR-196aの発現が、喉頭の非癌組織、喉頭の前癌病変である白板症、喉頭癌と、段階的に上昇していることをつきとめた。さらに、マイクロRNAには遺伝子配列レベルで細かいバリエーション(isomiR)が存在するが、miR-196aに関してそのバリエーションの分布を検討すると、喉頭癌と喉頭の非癌組織で、あるいは喉頭癌と癌ではないが腫瘍の代表である喉頭乳頭腫の間でもその分布が異なることも突き止めた。これらの事実は癌化のメカニズムに関与している可能性があり、臨床的には喫煙というリスクファクターを持たない非喫煙者でも喉頭癌を発症する症例や、喉頭乳頭腫のなかでも癌化(悪性転化)する症例の背景因子の一端を担っている可能性がある。そこでわれわれは非喫煙者で癌化した白板症の臨床的な背景の解析や、患者ごとにその挙動が異なる喉頭乳頭腫に関する、感染しているウイルスの遺伝子タイプを含めた背景因子の解析といった、今後頭頸部癌の発症やその挙動へのスモールRNAの関与を検討するに必要となる臨床的な研究も推進し、国内外で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
頭頸部癌のなかでも頻度の高い喉頭癌において、スモールRNAのなかでも、とくにmiR-196aの発現が、喉頭の非癌組織、喉頭の前癌病変である白板症、喉頭癌と、段階的に上昇しているという事実の発見はわれわれ独自の重要な発見として重視している。さらにそのバリエーションが、癌と非癌組織のあいだで、さらに癌と乳頭腫の間でことなるということはこれまで知られていなかった。これらのバリエーションと臨床的な背景を総合的に解析することができれば、有意義なトランスレーショナルリサーチとしての結果が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
頭頸部癌のなかでも、とくに頻度の高い喉頭癌に関し、臨床検体での検討結果とその患者背景の総合的な解析を進めたい。さらに、われわれのグループは耳鼻咽喉科業界において、その難治性から臨床的悪性と称される腫瘍である喉頭乳頭腫の治療に積極的に取り組み、良好な結果を得ている。この事実が認知されてきたことから、われわれの施設における喉頭乳頭腫の治療患者数は国内屈指である。この、頭頸部の難治性腫瘍である喉頭乳頭腫に関しても、詳細な検討を引き続き行っていきたいと考えている。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Laryngeal leukoplakia in non-smokers -who requires biopsy?-2014
Author(s)
Kosuke Uno, Koichiro Saito, Takeyuki Kono, Haruna Yabe, Kaoru Ogawa
Organizer
5th World Congress of IFHNOS (International Federation of Head and Neck Oncologic Societies) & Annual Meeting of the AHNS (American Head and Neck Society)
Place of Presentation
Kyoto, Japan
Year and Date
2014-04-14 – 2014-04-16
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