2013 Fiscal Year Research-status Report
ミセル化抗癌剤による頭頸部癌の転移リンパ節を標的とした新規リンパ管化学療法の開発
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25462693
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
横山 純吉 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60312584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 泰久 愛知県がんセンター(研究所), その他部局等, その他 (10261207)
大峡 慎一 順天堂大学, 医学部, 助教 (20549274)
池田 勝久 順天堂大学, 医学部, 教授 (70159614)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リンパ管化学療法 / センチネルリンパ節 / 低侵襲治療 / ドラッグデリバリーシステム / targeting Chemotherapy / navigation surgery |
Research Abstract |
頭頸部癌の最大の予後因子である転移リンパ節の制御にセンチネルリンパ節理論に基づきリンパ管を利用したlymphatic chemotherapyを頭頸部癌で確立し、低侵襲に、転移リンパ節に強力な治療効果を発揮する治療の実用化を目指した研究である。重要な点は原発巣と転移リンパ節がリンパ管で結合していることである。このリンパ管を可視化するのに従来の放射性物質に代わり近赤外蛍光イメージングを利用した。(文献番号)。 再発や巨大な転移リンパ節の制御には頸動脈を含めて切除再建が必要で、合併症の少ない新しい方法を開発した2)原発巣の制御に抗癌剤を動注し、同時にリンパ節の制御をFDG-PETで検討した3)耳下腺癌等の頭蓋底浸潤例に対して低侵襲に原発巣を制御と低侵襲な再建法による合併症の軽減と転移リンパ節の制御を検討した4,8) 最近増加するHPVが原因の中咽頭癌の診断法と転移が多くても予後良好の原因を従来のたばこれが原因で発症する中咽頭癌と比較検討した1,5)頭蓋底リンパ節に転移すると予後と術後合併症が問題であるが、近赤外蛍光イメージングをガイドに転移リンパ節を確認する最適時期の決定と、口腔内より切除する低侵襲手術を報告した6,9)また、上顎洞癌の治療時にCT-アンギオが最適とされているが、この方法の欠点を補う近赤外蛍光イメージングの有用性と転移リンパ節の制御を報告した7)侵襲を伴う長時間の再建手術を回避し、新しい素材ポリグリコール酸を利用した再建法と転移リンパ節の効率的制御法について報告した10)基礎実験では転移リンパ節に効率に移行し治療効果を発揮する最適な薬剤としてリンパ節に指向性が高いミセル化したPTX,ADM,CDDPを使用し、抗癌剤の移動を 蛍光法で可視化する新たな研究を好転移性のVX2扁平上皮癌 を NZWに移植し、頭頸部癌の転移モデルを作成し計画書通り実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究時間が限られていることと好転移性であり遠隔転移も起きやすく実験が予定どうりに進展していません。
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Strategy for Future Research Activity |
1)原発巣と転移リンパ節はリンパ管により直接結合している。その結合の仕方はセンチネル理論によると考えられています。:赤外線カメラを用い、被曝のない安全な蛍光イメージングにより転移リンパ節と近傍の非転移リンパ節とリンパ管を可視化し、区別する。現在最適とされている蛍光色素はICGであるが深さは表面より1cm以内とされています。もう少し深部まで可視化出来れば安全で効率的な転移リンパ節とリンパ管の確認が可能です。また、内視鏡に赤外線カメラを併用することにより低侵襲性と効率が向上します。現在の他領域に応用されている内視鏡赤外線カメラは感度が低く頭頸部癌では臨床応用は困難です。この内視鏡赤外線カメラの改善を進めます。 2)安定した実験動物系の確立により効率的な実験を進めます。 3)最適なミセル化薬剤の決定(Drug Delivery Systemの確立):ミセル化した抗癌剤(paclitaxel,CDDP,ADM)が持続効果と毒性の少なさより最適とされていますが、頭頸部癌での報告は無い。最適性を原発巣と転移リンパ節の抗癌剤濃度と病理学的検査(アポトーシス、増殖抑制率、制御率等)により判定し、確立する。 また、低侵襲性で効果的な最適薬剤の評価は転移リンパ節と近傍の正常組織(血液と非転移リンパ節)の抗癌剤濃度の比で評価した。各投与薬剤は濃度測定法が確立しており問題はありません。以上よりTargeting Chemotherapyとしての最適なミセル化抗癌剤を決定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験に必要な器具や時間が十分とれませんでした。また、海外出張のため実験が中断するため次年度にしました。 次年度に集中的に効率的に使用したいと思います。
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Research Products
(18 results)