2013 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部癌におけるEGFR,IGF-1Rと重粒子線の関係の検討
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25462695
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
松本 文彦 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70445584)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | EGFR / IGF-1R / 放射線治療 / 炭素線 / 頭頸部扁平上皮癌 |
Research Abstract |
癌細胞における増殖因子受容体およびその機能抑制と放射線治療との関連が注目されているが、未解明な事項が多い。特に重粒子線においてはさらにその知見は十分でない。申請者はEGFRとIGF-1Rの2つの遺伝子と放射線との関係について研究を行ってきており報告を行ってきている。本研究ではそれら受容体と放射線治療との関係、特に重粒子線(炭素線)について研究を行う。現在、本研究は放射線医学総合研究所(放医研)の共同利用研究「HIMAC」に研究課題として採択され、放医研の炭素線照射装置を利用して行っている。研究は現在のところ、主にヒト頭頸部扁平上皮癌細胞のFaDuを用いてγ線と炭素線による放射線効果の違い及び抗EGFR抗体の照射効果におよぼす影響を検討している。抗EGFR抗体としてはcetuximabを使用している。 1)clonogenic survival assayでは炭素線においても放射線増感作用を示している2)ウェスタンブロットを用いてγ線におけるEGFRおよびp-EGFRの発現状況及び変化を検討した。γ線照射によるEGFRの変化は認められなったが、p-EGFRにおいては4Gy照射で発現の上昇がありcetuximabの投与によりそれらが抑制されることが認められた。3)ヒト頭頸部扁平上皮癌細胞を用いた炭素線照射およびcetuximab併用によるPCR arrayを用いたRNAの変化の検討。PCR arrayにて、EGFおよびPDGFシグナリングに関係する遺伝子84種類を炭素線照射およびcetuximabの投与の有無について検討を行った。Cetuximab投与群およびcetuximabと炭素線の併用群において、いくつかの遺伝子の発現変化が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
炭素線照射装置の利用時間が限られており、割り当て時間内での使用に限られているため望むスケジュールで実験結果が得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
達成度はやや遅れているが、引き続き放医研の共同利用研究に課題と申請し炭素線照射を行っていく予定である。本研究申請期間内には一定の成果がでる見込みである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
放射線装置の使用頻度が限られており、照射実験の回数が当初より少なかったため。 今年度はPCR arrayによる照射増感作用の解析を予定しており、こちらの実験器具は高価なため繰越金を使用して購入する予定です。
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