2014 Fiscal Year Research-status Report
網膜光障害モデルを用いた加齢黄斑変性機序追究:責任ゲノム領域の限定エキソーム解析
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25462708
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大石 健太郎 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 助教 (80345826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坪 正史 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 助教 (10327653)
尾花 明 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 客員教授 (40194625)
堀田 喜裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90173608)
蓑島 伸生 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 教授 (90181966)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 網膜変性 / 次世代シーケンサー / 戻し交配 / ラット / 感受性遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、網膜光障害感受性を支配する責任遺伝子(Rpi1)を同定するため、同障害への感受性を示す系統であるWKY系統および耐性を示す系統であるLEW系統のラットを用いて、交配および戻し交配(BC)を実施している。BC個体群におけるの感受性個体のスクリーニングについては、当初、光照射後のモリス水迷路実験により、著明な視機能障害を示す個体を選択してきたが、遺伝子領域が限局化された現在はマイクロサテライト解析と次世代のBC個体を用いた光照射後の眼の病理標本解析の結果をもとに行っている。 平成26年度末までに、第14世代めのBC個体を作製するまでに至った。また、Rpi1領域は前年度の2.3 Mbから更に限局化でき、現在、様々な大きさのRpi1領域をもつBC個体のラインを保持している。また、これらのラインのコンジェニック化を進めている。 次世代シーケンシンサーによるエキソーム解析に関しては現在進行中である。オリゴキャプチャーライブラリー(プローブ)については、4.5 MbのRpi1領域について設計しているが、上記のようにRpi1領域の限局化も進んでいるため、解析遺伝子数も大幅に減少している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
BC個体のゲノム解析を進める段階で、ラット5番染色体(177.2 Mb)に対してRpi1領域が2.3 Mbまで限局化されているため、我々の実験規模では、これ以上の限局化を想定していなかった。しかし、マイクロサテライト解析を一部個体に対して実施したところ、複数個体でより限局化が進んだ個体が認められたため、解析対象を全個体に変更し、マイクロサテライト解析による遺伝子型解析と光照射および眼病理解析による表現形解析を実施した。これに関しては、交配用のBC個体が生存中かつ生殖能力を保持している間に終わらせ、方針を決定しなければならないため、優先的に実施した。このため、エキソーム解析の開始が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
エキソーム解析により、網膜光障害感受性責任遺伝子(Rpi1)の遺伝子多型を選定する。 遺伝子多型が複数ある場合は、その真偽について検討する。検討方法としては、耐性系統ラットの網膜に感受性Rpi1遺伝子多型を遺伝子導入し、網膜光障害が耐性から感受性に変化するかを調べることで、いずれの遺伝子多型が重要であるかを検討する。 責任遺伝子候補が1つの場合は、ヒト相同遺伝子のクローニングに移行する。そして、AMD患者と健常者でヒト相同遺伝子における遺伝子多型をダイレクトシーケンシングにより調べ、AMD発症とRpi1遺伝子との関連について検討する。
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Causes of Carryover |
エキソーム解析が遅れたため(現在実施中)、前年度の残額を使用しきれなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在進行中のエキソーム解析を実施する費用とする。
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Research Products
(3 results)