2015 Fiscal Year Research-status Report
Fibronectin ED-A抑制による増殖硝子体網膜症の制御
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25462722
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
木許 賢一 大分大学, 医学部, 准教授 (50315339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 敏昭 大分大学, 医学部, 教授 (30205140)
山田 喜三郎 大分大学, 医学部, 非常勤講師 (50452909)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 網膜色素上皮 / 増殖硝子体網膜症 / TGF-β2 / Fibronectin ED-A |
Outline of Annual Research Achievements |
増殖性硝子体網膜症は裂孔原性網膜剥離術後の重篤な合併症であり、線維性細胞増殖が網膜上、網膜下および硝子体中に生じ形成された増殖膜の収縮で剥離網膜が牽引固定される病態である。病態形成の分子メカニズムは完全に解明されておらず現状では有効な薬物治療もない。増殖膜の構成細胞は上皮間葉移行を起こした網膜色素上皮細胞であり、TGF-β2が病態形成に深く関与する。本研究では網膜色素上皮細胞においてTGF-β2で誘導され眼内増殖組織に特異的に発現する分子であるfibronectin ED-Aに着目し、眼内増殖性病変の新たな分子標的治療の確立に向けた実験を進めている。抗Fibronectin ED-A抗体は網膜色素上皮細胞においてTGF-β2で誘導されるI型コラーゲンの産生を著明に抑制した。上皮間葉移行の指標となるその他の細胞外マトリックスの再生に関してはDNAマイクロアレイとmiRNAアレイを使用して網羅的に解析中でるが上皮間葉移行を示す各種の遺伝子発現をも抑制している。 また、Fibronectin ED-Aの抑制に関しては、抗Fibronectin ED-A抗体だけでなくFibronectin ED-AのsiRNAなどの遺伝子導入を使用してより効率的な抑制方法を検討中である。Fibronectin ED-Aの産生機構の制御に関しては各種のTGF-β2シグナル伝達関連因子を標的として検討を進めている。標的とする因子は、Smad、p38MAPK、PI3K、PKC-deltaでありどの因子もI型コラーゲンに代表される細胞外マトリックスの産生に深く関与しており各因子間のクロストークについても検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
効率的な遺伝子導入の再現やリン酸化タンパクのウエスタンブロットの再現性に不確かな部分があり、当初の計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
確実、効率的な遺伝子導入方法を取り入れてこれまでの結果より説得力のある実験結果がでている。しっかりと再現性を確認し、研究を推進していく。
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Causes of Carryover |
実験機器の故障や結果の再現性の確認に時間を要し、計画通りに助成金を使用することができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在、実験機器の不具合は解消し実験が進行中である。また実験方法の見直しにより結果の再現性の確認も進んでいる。今年度中に使用予定である。
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