2014 Fiscal Year Research-status Report
TGF-βによる水晶体上皮細胞の上皮間葉系移行におけるRhoキナーゼの役割
Project/Area Number |
25462732
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
黒坂 大次郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (20215099)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉田 邦房 岩手医科大学, 医学部, 助教 (20583610)
橋爪 公平 岩手医科大学, 医学部, 助教 (50407095)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 水晶体上皮細胞 / TGF-β / 上皮間葉系移行 / Y-27632 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブタ水晶体上皮細胞を培養し、コラーゲンゲル培養、α平滑筋アクチン、コラーゲンI型のPCRの実験を進めた。その結果、5-10ng/ml TGF-β2によって、コラーゲンゲルの収縮は、促進され、α平滑筋アクチン、コラーゲンI型の産生は、PCRにより産生が亢進されていることが明らかとなった。これらの、コラーゲンゲル収縮促進、並びに、α平滑筋アクチン、コラーゲンI型の産生亢進は、選択的ROCK阻害剤であるY-27632によって有意に阻害された。 以上の結果によりTGF-β2によってもたらされる水晶体上皮細胞の上皮間葉系移行は、選択的ROCK阻害剤であるY-27632によって有意に抑制されることが明らかとなった。 さらに26年度では、これらの現象が、人眼水晶体上皮細胞でも同様になっているかを調べ、TGF-β2によって、α平滑筋アクチン、コラーゲンI型の産生は、PCRにより産生が亢進されていること、これらの産生亢進は、選択的ROCK阻害剤であるY-27632によって有意に阻害されることを明らかにした。 また、Rho-ROCK系の下流にあるMRTF-SRF系が関与しているかを明らかにする目的で、ブタ水晶体上皮細胞における TGF-β2によるコラーゲンゲル収縮促進に対する、選択的MRTF阻害剤の効果を検証したところ、有意に阻害されることが分かった。 以上より水晶体上皮細胞のTGF-β2による上皮間葉系移行には、Rho-ROCK系、さらにはその下流であるMRTF-SRF系が関与していることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定のようにおおむね順調に進展していると思われる
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、人水晶体上皮細胞のTGF-β2によるコラーゲンゲル収縮に対してもRho-ROCK系の下流にあるMRTF-SRF系が関与しているかを明らかにすること、さらに、in vivoにおいてもRho-ROCK系が水晶体上皮細胞の上皮間葉系移行に関与しているか明らかにしていきたい。
|
Causes of Carryover |
細胞培養が順調に進んだため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
人細胞での検証を進めるとともに、In vivoでの実験を行いたい
|