2015 Fiscal Year Annual Research Report
TGF-βによる水晶体上皮細胞の上皮間葉系移行におけるRhoキナーゼの役割
Project/Area Number |
25462732
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
黒坂 大次郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (20215099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉田 邦房 岩手医科大学, 医学部, 助教 (20583610)
橋爪 公平 岩手医科大学, 医学部, 助教 (50407095)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 水晶体上皮細胞 / TGF-β / Rhoキナーゼ / 前嚢下白内障 |
Outline of Annual Research Achievements |
Y-27632のin vivoにおける水晶体上皮細胞の上皮間葉系移行への影響を検討する目的で、前嚢下白内障をUV照射により惹起するモデルを用いて、Y-27632点眼剤の効果を検討した。その結果、Y-27632を点眼投与した群では、対照群(生食点眼群)に比べ、前嚢下白内障の混濁面積が有意に少なく、Y-27632によるin vivoでの水晶体上皮細胞の上皮間葉系移行を抑制できることが明らかとなった。 また、Y-27632は、細胞骨格に影響を与えるため、細胞の遊走能に影響を与える可能性が考えられる。そこで、豚水晶体上皮細胞を用い、スクラッチテストを行って検討を行った。豚眼水晶体上皮細胞をサブコンフルエントの状態で擦過した。10%血清のみ(コントロール群(C群))、Y-27632(10μM)添加群(Y群)で、投与前に比較してC群は66.6±12.3%、Y群は3.1±5.3%まで擦過部の面積が縮小していた。以上の結果より、水晶体上皮細胞の遊走においてRho-キナーゼ阻害剤であるY- 27632は遊走を促進し、TGF-β2は抑制しうることが示された。 同様の遊走実験をMRTF阻害剤について行った。この結果、コントロール群6.14±3.3%、CCG群13.3±3.0%まで縮小していた。コントロール群CCG群において有意な差は認めなかった。 以上より、Rho-MRTFの系においては、水晶体上皮細胞遊走において、Rho阻害剤は遊走促進的に働くが、MRTF阻害剤であるCCG-203971は影響は与えないと思われた。
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