2015 Fiscal Year Annual Research Report
加齢黄斑変性の病態におけるAngptl2の意義の解析
Project/Area Number |
25462734
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
平沢 学 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (80365345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 洋子 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90265885)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アンギオポイエチン様タンパク / 加齢黄斑変性 / 脈絡膜新生血管 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
脈絡膜新生血管(CNV)による加齢黄斑変性(AMD)は先進国の中高年者失明の主因となっている。網膜色素上皮やマクロファージをターゲットとしたAMD発症機序が研究されているが、その全容は明らかではない。本研究ではアンギオポイエチン様タンパク-2 (ANGPTL2)に着目し、CNV発症におけるANGPTL2の関与とその病態機序について検討した。 マウスレーザーCNVモデルでは、CNV病変部にANGPTL2局在を認め、脈絡膜・網膜色素上皮組織のリアルタイムPCR解析にてもANGPTL2のmRNA発現亢進が見られた。一方、ANGPTL2ノックアウトマウスでは野生型に比較してCNV容積が著明に低下しており、リアルアイムPCR解析にてMCP-1、IL-1β、IL-6、MMP-9、TGF-β1の発現低下が見られ、ANGPTL2のCNV形成への関与が示唆された。 次に、CNV形成に関与するANGPTL2の由来を確認するために、骨髄移植モデルを用いたレーザーCNVモデルを解析、マクロファージと網膜組織双方のANGPTL2がマクロファージ集積とCNV形成に関与していることを明らかにした。 マウスマクロファージ培養株RAW264.7およびマウス腹腔刺激誘導マクロファージを用いた解析では、ANGPTL2刺激による炎症性メディエーターおよびマクロファージ遊走能の亢進を認め、インテグリンα4およびインテグリンβ2を介し、転写因子NF-κBやERKのリン酸化を通じたシグナル伝達によることを明らかにした。本研究を通じ、組織内のANGPTL2がマクロファージ集積を誘導し、さらにマクロファージから分泌されるANGPTL2によって炎症シグナルが活性化し、CNV形成が促進するメカニズムを明らかにした。 ANGPTLを介した炎症・血管新生シグナルの制御はAMD治療に対する新たなターゲットとなり得ると考えられた。
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[Journal Article] Angiopoietin-like Protein 2 is a Multistep Regulator of Inflammatory Neovascularization in a Murine Model of Age-related Macular Degeneration2016
Author(s)
Manabu Hirasawa, Keiyo Takubo, Hideto Osada, Seiji Miyake, Eriko Toda, Motoyoshi Endo, Kazuo Umezawa, Kazuo Tsubota, Yuuichi Oike, Yoko Ozawa
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Journal Title
Journal of Biological Chemistry
Volume: 291
Pages: 7373,7385
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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