2014 Fiscal Year Research-status Report
二次的網膜神経節細胞変性における新規分子基盤の確立
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25462739
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
宗正 泰成 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30440340)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 網膜 / TLR-4 / 視神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
Wild type miceに視神経挫滅を施行すると網膜神経節細胞でのTLR-4の発現が免疫組織化学染色及びimmuno Blotで確認された。この結果は網膜神経節細胞死にはTLR-4を介した細胞死機構が働いていることを示唆した。そこで新規リガンド検索するため、TLR-4抗体を用いてimmunoprecipitation (IP)を行い、Mass spectrometryにて質量分析を行ったところHistone H2B type1-B (score 229) が検出された。この結果はHistone H2BがTLR-4を介して細胞死を惹起していることを示唆している。 次に我々は細胞外HistoneH2Bが網膜神経節細胞死を起こすか否か検討した。Wild type mice の硝子体に5nMのHistoneH2Bを投与すると、投与後1週間で約30%の網膜神経節細胞死が生じることを確認した。一方TLR-4 knockout miceの硝子体にHistoneH2Bを投与しても殆ど細胞死が生じない。この結果はHistoneH2BがTLR-4のリガンドであり細胞死を誘因する分子であることが判明した。 次にTLR-4 の下流分子の検討を行うためにMyd88やMAPKsのリン酸化の変化をimmunoblotで確認した。硝子体にHistoneH2Bを投与後1日で網膜を摘出し、immunoblotを行った。wild type miceではpERKの減少 Myd88, p38, pJNKの増加を認めた。これらの変化はKnock out miceでは認められなかった。この結果はTLR-4の下流細胞死機構にMyd88及びMAPKsのリン酸化制御が関わっていることを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規細胞死分子として細胞外HistoneH2Bを検出することができた。HistoneH2BのTLR-4を介した細胞死機構をTLR-4 knockout miceを用いて証明することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
HistoneH2Bの細胞死機構をさらに検討しる。 炎症の評価としての評価としてHistoneH2B硝子体投与後のMCP-1 ICAM VCAM VEGFのmRNAレベルをReal time PCRを行い、また虚血の評価としてHIF1alphaのReal time PCRを行う。 また蛍光眼底造影を行い網膜虚血の評価もする。
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Causes of Carryover |
knockout miceの表現型に変異がなく購入も少数(6匹)で済んだため予想以上に費用がかからずに済んだ。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年はHistoneH2Bのヘテロマウスを飼育し、より一層研究の核心に迫る予定である。 その作成、飼育費用に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)