2015 Fiscal Year Annual Research Report
網膜神経節細胞を利用したON型-OFF型光受容システムの構築
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25462747
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
菅野 江里子 岩手大学, 工学部, 准教授 (70375210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 奈美枝 東北大学, 大学病院, その他 (60597516) [Withdrawn]
沖田 ひとみ 東北大学, 大学病院, 助手 (30400451)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生理学 / 脳・神経 / 再生医学 / オプトジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
前年までに、AAV2型のキャプシド改善型、AAV2Mを硝子体への投与に用いると、網膜神経節細胞に高効率で投与遺伝子の発現が見られることを明らかにした。また、NpHRを細胞に発現させた場合、その発現効率がかなり低いことも確認できた。そこで、膜移行性配列をハロロドプシン(NpHR)に付加し、発現を改善できることを示した(mNpHR)。 本年はin vivoでの発現と機能を確認することを目的とし、視細胞変性モデルであるRCSラットの硝子体へ目的遺伝子を含んだウイルスベクターの投与を行った。詳細には、AAV-CAG-mNpHR-VenusとAAV-CAG-mVChR1-mCherryを同率同力価で混在させて投与を行った。その結果、mVChR1の発現は網膜全域に確認できたが、mNpHRの発現はかなり低く確認が困難であった。この理由として、2種類の遺伝子を導入する際に干渉が起きている可能性が示唆された。そこで、AAV-CAG-VenusとAAV-CAG-mCherryを同様に混在させて投与し、発現を確認した。しかし、その結果では両遺伝子の発現が十分に確認できた。このことから、NpHRそのものに問題があると考えられた。 NpHRの本来の発現局在である細胞膜への移行性が極めて低いことが、細胞での遺伝子発現が低い原因であると考えられた。そこで、NpHRの局在を改善させるため、タンパク質の三次元構造のモデリングを行ってきた。レチナール結合部位は保存し、膜への移行性を高める方法を検討してきた。その過程において、イオンを細胞内に透過させる経路にも問題があり、イオン透過率、すなわちチャネルとしての機能が低いことがわかった。 NpHRは神経細胞にOFF応答を引き起こすために、今後Keyとなると考えられ、本遺伝子を改変できればオプトジェネティクスにおいて、重要なツールと成り得ると考えられる。
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Research Products
(16 results)
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[Book] 光学2015
Author(s)
菅野江里子, 冨田浩史
Total Pages
7(433-39)
Publisher
日本光学会
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