2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25462748
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横倉 俊二 東北大学, 大学病院, 講師 (30400378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 佑治 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40625513)
渡邉 亮 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (70625293)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 組織工学 / 眼科学 |
Research Abstract |
1.代替角膜実質の開発については、予備実験で十分な強度が得られている積層化数から更に積層化数を増やした場合の透明性を比較し、最適な積層化数を決定した。次に架橋回数を数種類ふって比較し、縫合に十分な強度を有しつつ、かつ透明性が高い条件を最終的に決定することができた。このため次年度に予定されていた家兎への移植実験を前倒しで開始した。その結果、移植2週間で移植片を角膜上皮が被覆することを確認した。また、脱落などの重篤な合併症は認められなかった。組織学的検討では炎症細胞の移植片内への侵入は認められなかった。 2.強膜菲薄化部位被覆材の開発については、1で得られた代用角膜実質を用いる計画であったため、家兎への移植実験を前倒しで実施した。その結果、移植後2週間で移植片を結膜上皮が被覆することを確認した。また、こちらも脱落などの重篤な合併症は認められず、1と同様に組織学的検討にて炎症細胞の移植片内への侵入は認められなかった。 3.強膜コンタクトレンズの開発に関しては、1・3・5・10層に各々積層化させた羊膜をそれぞれ回数をふって架橋したものと、市販品のハードコンタクトレンズとでひっぱり試験を行い、市販品に近い強度が得られているかを確認した結果、最適な積層数を決定することができた。 4.緑内障インプラント被覆材料の開発については、1の代替角膜実質を用いて当初計画通り次年度に家兎への移植実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)代用角膜実質の開発と(2)強膜菲薄化部位被覆材の開発に関して、当初計画を前倒しして次年度予定であった家兎への移植実験を実施できているため。また、(3)強膜コンタクトレンズ開発と(4)緑内障インプラント被覆材の開発についても、概ね計画通りの進捗状況であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)代用角膜実質の開発と(2)強膜菲薄化部位菲薄材の開発については、既に前倒しで研究が行われているため、家兎への移植実験の回数を増やして再現性の確認をとり、その後平成27年度に予定されている、移植片の長期間の安定性を確認する実験に移る予定である。(3)強膜コンタクトレンズの開発については当初計画の通り、最適な条件で得られた積層化透明化羊膜を角膜移植用トレパンで打ち抜き強膜コンタクトレンズとし、眼表面炎症疾患モデル家兎に装用し、コンタクトレンズ脱落の有無、角膜上皮欠損の面積、角膜混濁の面積、血管侵入の程度を比較する。(4)の緑内障インプラント被覆材の開発についても当初計画の通り、既報により作成した緑内障モデル家兎に対して、緑内障インプラント手術を行う。その際に保存ウサギ強膜で被覆を行う群と積層化透明化羊膜で被覆する群それぞれを細隙灯顕微鏡で観察し、縫合不全・インプラント装置の視認性・眼圧について比較を行う。安楽死後眼球を摘出してインプラントを除去し、移植片を含んだ強膜凍結切片を作成し、H-E染色・免疫染色・電子顕微鏡での形態学的評価を詳細に行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画のうち、(1)代用角膜実質の開発と(2)強膜菲薄化部位被覆材の開発において、条件検討を非常に効率よく進めることができたため。 上記(1)と(2)に関して、家兎移植実験の再現性を確認するために更に複数回の家兎への移植実験を行い、その後当初計画では平成27年度に予定されていた移植片の長期安定性確認実験を前倒しで進めていく予定である。(3)強膜コンタクトレンズの開発と(4)緑内障インプラント被覆材の開発に関しては、当初計画通りで進めていく予定である。
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