2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25462754
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂口 裕和 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80379172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 幸二 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40244610)
林 竜平 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70535278)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 網膜疾患 / 硝子体内投与 / DDS / 自己集合性ペプチドゲル |
Research Abstract |
網膜疾患に対する薬物局所投与方法として硝子体内投与が広く用いられている。しかし、単回投与による効果持続期間は短く、複数回投与が必要になる場合が多い。合併症、費用の点から考えて、より長く効果が持続するような徐放基材の開発が急務である。そこで、自己集合性ペプチドゲルに着目し、そのゲルの薬剤封入性と徐放性についてin vitroでの検討を行った。最終ゲル濃度が1, 0.7, 0.5, 0.3, 0.1, 0.05%となる濃度のペプチドゲルそれぞれ200µLに対して12.5mg/mLに希釈したAvastin 100µLを混合し、1時間静置した。蒸留水を各ゲル上にのせ、10分後に蒸留水全量を回収し、そこに含まれているAvastinをELISAで定量し、そこからAvasitn封入率を算出した。また、薬剤封入実験実施後の各ゲル上に、BSSプラス 1mLをのせた。その後、1ヶ月間適当な時期にそのBSSプラスを500µL回収し、回収後は、回収量と同量の新しいBSSプラスをゲル上に加えた。各時期の回収されたBSSプラス中に含まれるAvastinをELISAで定量し、その徐放性を評価した。Avastin封入率は、全てのゲル濃度において99%以上であった。さらに、薬剤徐放性については、ゲル濃度0.05, 0.1%における徐放挙動はそれぞれ、初期burst 徐放Avastin量19, 33µg、1日のAvastin徐放量0.5, 1.3µg、封入されたAvastin全量徐放されるまでの期間およそ7, 2.5年であった。ゲル濃度0.3%以上においては、Avastinはほとんど徐放されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時、初年度はin vitroでの評価を行うとしており、その評価を完了することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の結果を元に、有硝子体眼ウサギモデルを用いたin vivoでの自己集合性ペプチドゲルのAvastin徐放性の評価を行う。その後、in vivo試験から得られた結果を元にし、自己集合性ペプチドゲルとAvastinのより最適な混合組成を再度検討し、またそれをin vivoで評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定より、効率的かつ迅速に結果を得ることが出来たため、試薬代などの費用が抑えられた。 次年度以降は動物を用いた試験を行うため、動物購入費、さらには維持費、薬剤購入費が必要となる。また、徐放薬剤・基材の購入も本年度同様、必要である。
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