2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25462764
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
栗本 拓治 公益財団法人東京都医学総合研究所, 運動・感覚システム研究分野, 研究員 (50388815)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 視神経再生 / 好中球 / Oncomodulin |
Outline of Annual Research Achievements |
視神経は一旦損傷されると再生することなく逆行性変性を起こし、その細胞体である網膜神経節細胞は細胞死に陥る。しかしながら、酵母の細胞壁成分であるZymosanを眼内投与し、眼内炎を惹起させると、損傷された視神経線維を再伸長させることができる。すでに我々はPhosphatase and Tensin Homolog Deleted from Chromosome 10(PTEN)コンディショナルノックアウトマウスの眼内にZymosanとcAMPアナログを同時投与すると(3者併用療法)、損傷した視神経が顕著に再生され、挫滅後6週目には多数の再生線維が視交叉を越えて、視床まで到達することを明らかにした。つまり3者併用療法は、これまで不可能と思われた視中枢への視神経再生を実現化させる可能性がある。 一方、眼炎症に伴う視神経軸索の再生メカニズムに関して、眼内に浸潤する活性型マクロファージから産生されるOncomodulinが主因子であることが明らかとなっている。さらに本研究ではより早期に損傷部位に浸潤する好中球に注目し、同細胞がOncomodulinの放出や軸索再生に強く関与することを証明した。しかしその後のOncomodulinの中和抗体を用いた検討では、視神経軸索伸長の抑制効果はごく一部であり、Oncomodulin以外の因子が深く関わることが想定される。そこで引き続きOncomodulinの欠損マウスを用いて、野生型マウスと同様の視神経再生実験を開始したところであり、今後さらに検討を進める予定である。
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