2014 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞由来網膜色素上皮細胞の移植用デバイスの開発
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25462765
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
桐生 純一 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80281096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌尾 浩行 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30388946)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 医療用器具 / iPS細胞 / 網膜色素上皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、3.0×3.0mmのiPS細胞由来網膜色素上皮細胞シートを小切開(1.5mm)の創口から眼球内に移植可能な手術器具を開発する事である。本研究の研究計画は、『移植器具の開発』と『ヒトiPS-RPE細胞シートの作製』で構成されいる。移植器具の開発に関しては、カニューラの吸引口を眼球内への挿入方向から見て横側に設置し、また内部を渦巻状に加工することで、3.0×3.0mmサイズのiPSC-RPEシートを収納可能なカニューラを計画した。これまでにリアクトシステム社の協力のもと、渦巻き状の金属の作製、側面への金属と注射針の取り付けに成功し、作製したカニューラが液体の吸引と排出が可能であることを確認している。ヒトiPS-RPE細胞シートの作製に関しては、川崎医科大学においてRIKEN CELL BANKより提供されたヒトiPS細胞の維持培養、iPS-RPEへの分化誘導とiPS-RPE細胞シートの作製に成功しており、また作製したiPS-RPEが生体のRPEと同等の機能を有することを確認しこれを報告している。Kamao H, Kiryu J, etc. Kawasaki Medical Journal 155-162, 39 (2013)、Kamao H, Kiryu J, etc. Stem Cell Reports 2, 205-218 (2014)、Kamao H, Kiryu J, etc. Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 55, 8309-8318 (2014)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究計画は、『移植器具の開発』と『ヒトiPS-RPE細胞シートの作製』で構成されいる。移植器具の開発に関しては、リアクトシステム社の協力のもと、当初計画したカニューラを作製し、作製したカニューラが液体の吸引と排出が可能であることを確認できているため、おおむね順調に進展していると判断した。細胞シートの作製に関しては、iPS-RPE細胞シートの作製まで成功し、作製したiPS-RPEが生体のRPEと同等の機能を有することを確認できているため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究計画は、『移植器具の開発』で構成されいる。研究項目として、 iPSC-RPEシートの移植動作:培養液中でiPSC-RPEシートを吸引・排出し、円滑な移植動作が可能か確認する。 iPSC-RPEシートへの負荷:培養液中で吸引・排出した後、iPSC-RPEシートの生細胞率と培養皿への接着能を確認する。 iPSC-RPEシートのウサギ網膜下移植:移植中と直後の移植片の評価(1.損傷の有無、2.表側・裏側、3.移植位置)、合併症の有無、組織学的評価を行う。
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Causes of Carryover |
昨年、細胞培養において培養方法の見直しが必要となった事があり、その際に培養が中断となり消耗品(培地・試薬・器具・実験動物)の使用が少なくなったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、平成27年度の交付額と合わせて、培養関連の消耗品(培地・試薬・器具・実験動物)として使用する。
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