2014 Fiscal Year Research-status Report
ASK1およびDockファミリー分子の制御による視神経炎の治療研究
Project/Area Number |
25462766
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
原田 知加子 公益財団法人東京都医学総合研究所, 運動・感覚システム研究分野, 研究員 (20435720)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 視神経炎 / Dock3 / ASK1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではこれまで十分に検討を重ねてきた多発性硬化症の疾患モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を活用し、新しい視神経炎の治療法を開発することを目的としている。すでに我々はToll-like receptor(TLR)の下流で活性化するストレス応答分子であるASK1が、グリア細胞における自然免疫系の活性化に関与することを報告している。実際にASK1欠損マウスではEAEが軽症化するが、発症そのものの抑制は不可能であった。そこで本研究では薬剤によるTLRの発現抑制とASK1シグナル経路阻害の相乗効果により、視神経炎の発症抑制が可能か検討する。さらにASK1のグリア領域特異的欠損マウスを作製し、同様の検討を行う。すでにそれらのマウスが複数完成し、現在解析中である。 一方Dock8と呼ばれるグアニンヌクレオチド交換因子の変異が重症複合免疫不全症に関与すると報告されたが、このような患者では逆に自己免疫疾患が起きにくい可能性がある。そこで本研究ではDock8が視神経炎の発症や重症度に与える影響について、新規遺伝子改変マウスを用いて検討する。さらに同じファミリー分子であるDock3はオリゴデンドロサイトにも発現することから、Dock3過剰発現マウスに対してcuprizoneを投与し、脱髄モデル動物を作成した。その結果、野生型マウスと比較してミエリンが保護され、視機能も維持されることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ASK1のグリア領域特異的欠損マウスが完成し、解析も順調に進んでいる。またDock3によるミエリン保護効果を明らかにした。
|
Strategy for Future Research Activity |
ASK1のグリア領域特異的欠損マウス、Dock8遺伝子改変マウスについて、引き続き検討を進める。
|
Causes of Carryover |
単年度分の予算を超える支出となったが、消耗品費用などの節約に心がけることにより、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
人件費、消耗品費などとして使用予定
|
Research Products
(9 results)