2013 Fiscal Year Research-status Report
Biotubeを用いた新規足場素材による複合的気道再生の為の研究
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25462780
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
佐竹 亮介 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70597525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古村 眞 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10422289)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30344451)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | biotube / PLLA多孔体 / 新規足場素材 / 気道再生 / 軟骨細胞 |
Research Abstract |
東京大学においてbiotubeとゼラチン多孔体+β-TCPによる新規足場素材を研究分担者である古村の指導のもと作成に成功した。しかし、現段階では新規足場素材全体の移植には至らない大きさであったため、まずはこの新規足場素材を家兔気管前壁に部分的に移植し、その自律再生を組織学的に評価することから開始した。、麻酔下に鎮静された家兔の気管前壁を正方形型4mm辺を切除し、ここに作成した新規足場素材の強度が十分と判断された部分を同じく正方形型4mm辺にトリミングし、移植した。この新規足場素材組織片を移植された3羽の家兔は4週間後に屠殺し、この移植片を組織学的に評価したところ、1羽において十分な強度を持つと考えられる気管再生が確認された。 現在、本学において完全な気道再生の研究を進めるべく、動物実験計画書を提出し、準備中である。気管軟骨用のリング状軟骨再生の吸収性基本足場(コラーゲンスポンジ+PLLA多孔体+ゼラチンスポンジ:直径6mm長さ2mm)を直径7mm・長さ3cmのシリコンチューブに2mm間隔で配置したものに、生後4週齢家兔の耳介軟骨から採取した軟骨細胞を播種させ、これを家兔の背部皮下に移植し、4週間後にこの足場をbiotubeを摘出し、軟骨再生・輪状靭帯・膜様部組織について組織学的に評価することを予定している。さらにbiotubeの気道閉塞圧測定装置を用いて、力学的特性についても計測することを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本学および当講座において、気道再生の実験経験が希少で、動物実験計画書の申請・承認にかなりの時間を浪費している。 現在までに実験に必要な器材・機器の手配は順調に進んでおり、動物実験計画書が承認され次第、biotubeからの気道再生実験に移行可能な段階となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
①本学での動物実験計画書が正式承認され次第、気管軟骨用の軟骨再生の吸収性基本足場の作成に着手する。 ②短期的に粘膜上皮の自律再生を確認する。 ③軟骨付きbiotubeの力学的強度が正常下気道と同様であることを実証する。 ④長期的に複合的再生気道(biotube airway)の機能性と組織学的維持を確認 ⑤上記に問題が無ければY字型軟骨輪付きbiotubeを再生し、組織学的、力学的強度について実証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究における最も大きな目的は軟骨輪付きbiotubeの力学的強度と機能性・組織学的維持の評価である。そのためには本学での実験計画書の承認を得ての実験遂行が当然必要であったが、この過程に想定以上の日時を費やし、これが実験動物および機器・器材の購入の停滞に繋がり、次年度使用額に支障が生じた。 すでに動物実験計画書は承認段階に入っており、承認され次第、本学での実験が開始される予定である。まずは軟骨輪付きbiotube作成から開始し、高価である力学的評価に必要である気道閉塞圧測定装置の購入に着手している。
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