2014 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍幹細胞を標的とした難治性小児固形腫瘍に対する治療法の開発
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25462783
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
渕本 康史 独立行政法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (40219077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大喜多 肇 独立行政法人国立成育医療研究センター, その他部局等, 研究員 (50317260)
黒田 達夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60170130)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 小児固形腫瘍 / 腫瘍幹細胞 / CD44V / CD13 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝芽腫細胞株(HepG2, HuH6)、横紋筋肉腫細胞株(Rh30, KYM-1, RMS-YM, RD)、神経芽腫細胞株(LAN5)、ラブドイド腫瘍株(W4)についてFACSにより候補腫瘍幹細胞マーカー(CD13, CD44, CD44v, CD133)の表出をFACSにて評価した。CD44では全ての腫瘍株で表出が確認された。しかし、一部の成人癌では腫瘍幹細胞と密接な関係があるとされているCD44vはいずれも小児固形腫瘍細胞株での発現はみられなかった。 肝芽腫細胞株(HepG2, HuH6)ではFACSにてCD13の表出がそれぞれ約50%,10%に認められた。そのためHuH6株でCD13陽性細胞をソーティングし、SCID-NODマウスにenrichして移植した。bulk細胞では腫瘍を形成したのに対して1/10(1.0x104),1/100(1.0x103), 1/1000(1.0x102)のいずれのenrichに対しても16週経過しても腫瘍は形成されなかった。肝芽腫においてCD13陽性細胞が高い造腫瘍能をもてばCD13阻害剤であるウベニクス(ベスタチン)による阻害効果をみる予定であったが、その評価ができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肝芽腫細胞株(HepG2, HuH6)ではFACSにてCD13の表出が認められた。そのためHuH6株でCD13陽性細胞をソーティングし、SCID-NODマウスにenrichして移植した。bulk細胞では腫瘍を形成したのに対して1/10(1.0x104),1/100(1.0x103), 1/1000(1.0x102)のいずれのenrichに対しても16週経過しても腫瘍は形成されなかった。この予想外の結果のために肝芽腫細胞株での腫瘍幹細胞のマーカーとしてCD13が有用である評価が得られず、CD13阻害剤での造腫瘍能の抑制を評価することができなかったため研究がやや遅れ気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞株ではなく、肝芽腫臨床検体にてCD13の表出を免疫染色にて確認する。またLgr5は近年、消化管の幹細胞のみではなく、種々の組織の幹細胞マーカーとして認識されている。小児固形腫瘍株ならびに臨床検体でのLgr5の評価を本年度は行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
予想と異なり肝細胞癌では有力な腫瘍幹細胞候補マーカーとされているCD13が肝芽腫細胞株では表出はみられるものの、腫瘍造成能の高さが証明できなかったために次のステップであるCD13阻害剤の評価ができなかったために、そのれに必要とする薬剤等が不要となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新規腫瘍幹細胞マーカーと考えられるLgr5を使用して小児固形腫瘍臨床検体の免疫染色を行うとともに、細胞株を使用してFACSにてLgr5の表出評価を行う予定である。
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Research Products
(3 results)