2015 Fiscal Year Annual Research Report
難治性小児固形腫瘍における光線力学的治療に関する基礎的研究
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25462784
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
渡邉 稔彦 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (50306734)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 難治性小児固形腫瘍 / 光線力学的治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
各細胞種に対する5-ALA-PDT(in vitro):各細胞種における5-ALA-PDTに対する細胞傷害性はより低い濃度でみられたものからMKN45, NB-1, IMR32, NB-9, GOTOとなり、細胞内PpIX蓄積量と相関性がみられたことから5-ALA-PDTによる細胞傷害性が細胞内PpIX蓄積量に依存的であることが確認された。 5-ALA-PDTによる細胞死形態の観察:NB-1に対してIC50となる125 µMにおける5-ALA-PDTによる細胞死の形態を観察した。5-ALA-PDT後、時間依存的にアポトーシス性細胞の増加がみられ、作用12時間で細胞生存率の低下がみられた。これらのことから、IC50における5-ALA-PDTは細胞に対してアポトーシスを誘導することで細胞死を引き起こすことが確認された。 細胞内へのPpIX蓄積に関わる分子の探索:アミノ酸の取り込みに関わる分子としてPEPT1, PEPT2, ABCB6のmRNA発現とPEPT1のタンパク質発現を確認した。これら取り込みに関わる分子は細胞内PpIX蓄積量と正の相関がみられるはずだが、各分子に正の相関はみられなかった。次に、アミノ酸の排出に関わる分子としてABCG2, ABCC1, ABCB1のmRNA発現を検討した。これら排出に関わる分子は細胞内PpIX蓄積量と負の相関がみられると予想されるが、各分子のmRNA発現量に細胞内PpIX蓄積量との負の相関はみられなかった。
総括:本研究によって、in vitroにおいて各小児神経芽腫は5-ALA作用によって時間・濃度依存的に細胞内PpIXを蓄積させ、5-ALA-PDTの有効性は細胞内PpIX蓄積量に依存的であることが確認された。
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