2014 Fiscal Year Research-status Report
ポリビニルアルコールを用いた新しい乳房インプラント開発
Project/Area Number |
25462789
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
矢野 健二 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座教授 (40174560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 成行 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 招へい教員 (50506243)
冨田 興一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90423178)
藤原 貴史 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (50381968) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ポリビニルアルコール / インプラント |
Outline of Annual Research Achievements |
乳癌の増加に伴い、乳癌術後の乳房再建において、シリコンインプラントを用いる治療が増えてきている。しかし、乳癌における治療法・医療技術の発達により乳房切除範囲は縮小してきており、シリコンインプラントでは整容的に満足のいく乳房再建は困難なことも多い。本研究は安全性と生体親和性に優れたポリビニルアルコールを基材とした新規の乳房インプラントを開発するための研究であり、ポリビニルアルコールのインプラントとしての耐久性、細胞毒性、生体親和性を解析することを目的とする。 本年度はポリビニルアルコールの細胞毒性試験を実施した。ヒト皮膚由来の線維芽細胞をディッシュ上で培養し、ポリビニルアルコールを中央部に留置した。生体内を模擬した溶液としてイーグルMEM細胞培養液、PBS(-)、子牛血清、0.9 NaCl、1%乳酸、システイン水溶液を用いた。その後、3、7日後に細胞数をコントロール(シリコン)群と比較するとともに、細胞増殖試験(MTTアッセイ)を行った。結果であるが、シリコン群と比較して、ポリビニルアルコール群では7日後の生存細胞数において減少する傾向が見られたが、明らかな有意差は認めなかった。 また、細胞の形態変化を顕微鏡で観察するとともに免疫組織化学染色(細胞骨格タンパク;アクチン)を行い、細胞骨格の変化を観察した。結果であるが、シリコン群と比較してポリビニルアルコール群では明らかな形態変化の違いは認めなかった。さらに、免疫組織化学染色において、シリコン群と比較したところ、こちらも明らかな細胞骨格の変化の違いは認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ポリビニルアルコールのインプラントとしての耐久性、細胞毒性、生体親和性を解析することを目的とした研究で、H26年度はポリビニルアルコールの細胞毒性を解析することが目的であったため、予定通り細胞毒性試験を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
ポリビニルアルコールのin vivoでのラット埋植試験を行う予定である。 ラット埋植試験では、インプラントの形状、表面の破損の評価を行うとともに、炎症細胞の集積、瘢痕形成の程度を評価する。
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Causes of Carryover |
本年度の研究が順調に進んだため、若干の余剰が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度の余剰は、次年度の研究の消耗品(試薬類)にあてる計画である。
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