ポリビニルアルコールを用いた新しい乳房インプラント開発

2015 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 25462789
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 矢野 健二 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座教授 (40174560)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 金澤 成行 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 招へい教員 (50506243) ; 冨田 興一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90423178) ; 藤原 貴史 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (50381968) [Withdrawn]
• Project Period (FY): 2013-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: ポリビニルアルコール / インプラント

Outline of Annual Research Achievements

乳癌の増加に伴い、乳癌術後の乳房再建において、シリコンインプラントを用いる治療が増えてきている。しかし、乳癌における治療法・医療技術の発達により乳房切除範囲は縮小してきており、シリコンインプラントでは整容的に満足のいく乳房再建は困難なことも多い。本研究は安全性と生体親和性に優れたポリビニルアルコールを基材とした新規の乳房インプラントを開発するための研究である。将来的に臨床試験・臨床応用に展開するために、ポリビニルアルコールのインプラントとしての耐久性、細胞毒性、生体親和性を解析することを目的とする。
本年度はラット皮下埋植試験を行った。ラットの背部皮下にPVA（コントロールはシリコンブロック）を埋入し、3ヶ月後に埋植した検体を取り出した。摘出した試料を0.5 g/L のコラゲナーゼ/リン酸塩緩衝液50mlで処理した後、RO 水（逆浸透水）を用いて撹拌洗浄（6 時間以上ごとにRO 水を交換し、計3 回洗浄）、室温で1 日以上放置して、インプラントの形状・重量を比較した。シリコンブロックに関しては埋植した前後において、形状、重量の変化は見られなかった。しかしながら、インプラント周囲に被膜形成が認めた。
一方、PVAに関して、埋植した前後において形状がやや膨張し、重量が増えた群もあれば、変化がほとんど認められなかった群も存在し、少しばらつきが認められた。さらには、コントロール群のシリコンブロックと同様に、インプラント周囲に被膜形成が認めた。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

インプラント組織周辺の炎症細胞を確認する免疫組織染色での抗体反応の精度が良くなく、様々な抗体をスクリーニングを行っているため、少し予定より時間がかかっている。

Strategy for Future Research Activity

埋植したインプラント周囲の組織をホルマリン固定し、H.E.染色や免疫組織化学染色（コラーゲンⅠ・Ⅲ型、エラスチンなど）にてマクロファージや多核巨細胞などの炎症細胞の集積、瘢痕形成の程度を評価する予定である。

Causes of Carryover

インプラント組織周辺の炎症細胞を確認する免疫組織染色での抗体反応の精度が良くなく、様々な抗体のスクリーニングを行っているため、少し予定より時間がかかっているため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度の実験の消耗品（試薬類など）にあてる予定である。