2013 Fiscal Year Research-status Report
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25462792
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
難波 祐三郎 岡山大学, 大学病院, 教授 (00335605)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生殖臓器移植 |
Research Abstract |
免疫抑制が不要な近交系LEWISラットを用いて、同性間精巣移植を行った。 レシピエントの精巣を両側とも切除し、鼠径部皮下にドナーからの精巣を移植した。動静脈および精管を吻合した。従来の精巣動静脈に下大動静脈を付けて挙上する方法では無く、ドナーの精巣動静脈を直接レシピエントの下腹壁動静脈に端々吻合する低侵襲モデルの確立を目指している。これにより下大動静脈を犠牲とせず、腹腔内操作も必要としない、低侵襲な手術が行えるようになる。しかし、この方法を行うには直径0.3mm程度の精巣動静脈を吻合するための、ウルトラマイクロサージャリー技術が必要となる。まずは安定した移植が行えるように、ウルトラマイクロサージャリー技術の向上や術式の工夫を行っているところである。しかし、直径0.3mm程度の血管を吻合することは容易ではなく、まだ安定して開存するには至っていない。 免疫抑制が不要な近交系LEWISラットを用いて、同性間卵巣移植を行った。 レシピエントの卵巣を両側とも切除し、鼠径部皮下にドナーからの卵巣を移植した。動静脈および卵管を吻合した。こちらは下大動静脈からの卵巣動静脈分岐部周囲の下大動静脈の血管壁を円周上に採取し、口径を調整して大腿動静脈に端々吻合した。今後、レシピエント由来のエストロゲンが血中から消失するまで2ヶ月間待機し、ELISA法を用いて血清エストロゲン値を測定して移植卵巣の働きを評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ドナーの下大動静脈を温存した低侵襲精巣移植モデルの確立に労力を要している。ホルモン値の測定や、組織学的評価には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
場合によっては、低侵襲モデルの確立は断念し、従来の方法により計画の遂行を目指す。まずは、術後のホルモン値の測定と組織学的評価を行う。 最終的にはGFPトランスジェニックラットから移植を行い、生殖幹細胞のcell traffickingについて調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品を予定より安く購入できたため未使用額が生じた。 ラット、免疫染色試薬、ELISAキット等の購入に使用する予定である。
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