2014 Fiscal Year Research-status Report
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25462792
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
難波 祐三郎 岡山大学, 大学病院, 教授 (00335605)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生殖臓器移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫抑制不要な近交系Lewisラットを用いて、同性間精巣移植を行った。 レシピエントの精巣を両側とも切除したのち、ドナーの精巣を鼠径部皮下に移植し動静脈と精管を吻合した。精巣動静脈は直径0.3mm程度と非常に細く血管吻合の成績が安定しないため、下大動静脈や腎動脈レベルでの吻合に変更して行った。しかし、移植後の生存率が50%と低く、移植精巣の生着率は17%程度とGFPラットを用いた本格的な調査が行えるレベルには至っていない。精巣動脈が腎動脈から分岐しているものに関しては、大腿動脈と腎動脈はほとんど口径差なく吻合可能であった。しかし下大動脈から分岐しているものや、下大静脈から分岐している精巣静脈に関しては、レシピエント血管となる大腿動静脈とは2倍程度の口径差があるため、吻合後の開存成績が安定しない要因と考えられた。 移植後に血清テストステロン値をELIZA法で定量した。動物実験施設が耐震補強工事中のため実験動物の飼育期限が30日間に制限されており、実験計画では術後2ヶ月で測定する予定であったが、実際は術後3週間で測定するほかなかった。しかし、生着したラットでは血清テストステロン値626pg/mlであったのに対し、生着しなかったラットでは100pg/ml程度であり、ホルモン分泌機能が保たれていることを確認することが出来た。さらに、H-E染色にて移植精巣を組織学的に検査した。しかし、残念ながら精子の形成は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
移植成績が安定せず、研究の遂行に苦慮している。精巣移植ラットの術後生存率が低い原因は不明である。移植精巣の生着率が低い原因は、血管吻合における技術的な問題と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、低侵襲精巣移植モデル確立は保留し、血管吻合後の開存率上昇を目指し、口径差の少ない部位での吻合を検討している。具体的には、腎動静脈分岐部以遠の下大動静脈での吻合を考えている。 移植成績が安定したら、GFPトランスジェニックラットでの移植実験で生殖管細胞のcell traffickingについて調査する予定である。
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Causes of Carryover |
物品を予定よりも安く購入出来たため未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ラット、免疫染色試薬、ELISAキット等の購入に使用する予定である。
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