2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規抗菌物質Firmocidin及びエクリン汗自然免疫を応用した創傷治癒システム
Project/Area Number |
25462795
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中岡 啓喜 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (30172266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 正基 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (20278302)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 創傷治癒 / 自然免疫 / エクリン汗 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)掌蹠膿疱症患者からの手掌・足底部の水疱/膿疱は非常に微量であるが、アガロースゲルを用いて検査物を被覆あるいは含有させることにより、良好な結果を得ることが可能であることが明らかとなった。 (2) 正常角化細胞、NCL-SG3に対する細菌感染による創傷遅延効果評価のため二次元単層培養シート状に増殖させ中心部に1㎝幅で傷作成を行った。ここにS. aureus, S. epidermidis, Group A streptococcusを添加したところ、細菌添加群と非添加群で創部の再生に若干の差を認めた。次に、採取されたエクリン汗、fimocidin、LL-37を創傷作成後に添加し、同様に細菌感染を行ったが、創部再生に大きな差はなく、L-17, IL-8, IL-1α, IL-1β mRNAの発現にも有意差がなかった。 (3)LSEを用いた創傷モデル作成:LSEを作成後、18G注射針で線状傷を作成し、二次元単層培養系と同様にS. aureus, S. epidermidis, Group A streptococcusを創部に添加し、細胞修復遅延を観察したが、細菌添加群と非添加群で創部再生に差はなかった。次に、採取されたエクリン汗、fimocidin、LL-37を創傷作成後に添加し、同様に細菌感染を行ったが、創部の再生に大きな差はなく、L-17, IL-8, IL-1α, IL-1β mRNAの発現にも有意差がなかった。従って、細菌、ケラチノサイト、抗菌物質のみでは、創傷部での細菌感染モデルの再現が難しい可能性が示唆された。さらに共同研究者よりのFirmocidinの供給が不可能となったため、CRAMPノックアウトマウスを用いたin vivoでの創傷修復遅延に関する検討は行えなかった。
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