2013 Fiscal Year Research-status Report
脂肪幹細胞を用いた再生組織付加prefabricated flapの基礎的研究
Project/Area Number |
25462799
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
朝戸 裕貴 獨協医科大学, 医学部, 教授 (20222581)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 紘史 獨協医科大学, 医学部, 助教 (40513213)
倉林 孝之 獨協医科大学, 医学部, 助教 (60513231)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 脂肪幹細胞 / 皮弁移植 |
Research Abstract |
初年度は、再生組織付加Prefabricated flapのマウスモデルを確立するために、マウスにおける脂肪幹細胞の基礎データの収集をおこなった。 マウス腹側(腹部脂肪および鼠径部脂肪)の6カ所から脂肪塊を採取した。酵素処理により細胞を単離させたのち、CD31,34,45,90をマーカーとしてFCM分析を施行した。このうち、CD34(+)/CD45(-)の、脂肪幹細胞と考えられる細胞群の頻度は、2.85%±3.70%であり、同細胞群のトータル細胞数は1032であった。この結果から、同一個体において脂肪採取し、目的組織(脂肪/骨/軟骨)に分化誘導させたのちに自家移植する手法は侵襲が大きいが、ヌードマウスに他家移植するのであれば、分化誘導後に目的組織を作製するのに必要な脂肪幹細胞を採取しうることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度はマウスから取り出した脂肪塊から脂肪幹細胞を抽出して、これを皮弁に挿入する予定であったが、同一個体で脂肪を取り出してなおかつ皮弁を作成することはマウスに対する侵襲が大きく、生着を確認できるまで生存させることが困難であった。このためprefabricated flapの作成は計画通り進まなかったが、脂肪塊から脂肪幹細胞を取り出して自家移植できる状態をつくることはできたと考えられ、おおむね順調に進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度はまず脂肪幹細胞から分化誘導させた脂肪、軟骨、骨組織を確認する。これらをヌードマウスに作成した皮弁に移植してこれらの組織がいかに生着するのかについて研究をすすめていく。具体的には再生組織標本からその発現サイトカインやマーカーなどについて検討し、再生組織の生着ボリュームも計測する。これにより再生組織付加prefabricated flapの有効性を検証できるものと考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度においては脂肪幹細胞を骨あるいは軟骨組織に誘導する実験には至らなかったため、多孔性ハイドロキシアパタイトやポリ乳酸重合体である生分解性ポリマーを使用せず、これらの材料費は次年度に持ち越して使用する予定となった。このため次年度使用額が生じた形となっている。 脂肪幹細胞を多孔性ハイドロキシアパタイトに播種して培養することで骨組織への、また生分解性ポリマーに播種して培養することで軟骨組織への分化誘導をはかる。このためこれらの材料費は次年度に使用する予定である。
|